ポルシェ911 詳細データテスト 精密さ極まるシャシー レースカー並みの空力 積載能力はほぼ皆無
公開 : 2023.12.02 20:25 更新 : 2024.02.12 17:30
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
公道上でのノイズレベルはGT3とほぼ同等だが、GT4 RSよりはわずかに静かだ。騒々しくて閉塞感のあるキャビンだが、凶悪というほどではなく、この手のクルマとしては長距離でひどく疲れるものではない。
サーキットスピードとなると、3速全開での室内騒音は98dBAに達する。これはGT3と同等で、耳をつんざくようなGT4 RSの109dBAよりはマシ。あれは、われわれがロードカーで計測した固定ルーフ車の中で、もっともうるさいクルマだった。ただし、ヘルメットを着けると耐え難い反響音が発生するので、耳栓はあったほうがいい。
快適性という点では、客観的に見てもエルゴノミクスに非の打ちどころがない。長距離を走っても、テスター陣からカーボンシェルのバケットシートへの不満は出なかった。ヴァイザッハパッケージの厳重なロールケージを装備していながら、視認性も上々だ。
乗り心地は、より興味深い問題だ。すでにGT3は、公道走行可能な911としては許容範囲の限界にあるが、おそらくRSはそれよりひどいと予想するだろう。ところが、調整のきくトラックモードを選び、ダンパーを伸び側も縮み側ももっとも緩い−4に設定すると、路面にうまく追従し、厄介な路面も驚くほどいなしてくれる。もっとも、高級サルーンのように乗り心地がいいなどとは、間違っても言わないが。