スマート・フォーツー・カブリオ・ターボ

公開 : 2012.12.26 16:51  更新 : 2017.05.29 18:43

もうひとつ、昨年から日本導入が公表されていたスマートED(エレクトリック・ドライブの意)もいよいよ日本で走るようになった。日本に導入されるのはヨーロッパで実証実験をスタートした第1世代の試作車から数えると、すでに第3世代。キモとなるバッテリーは第2世代がテスラ製だったのに対して、第3世代はダイムラーが合弁で立ち上げたドイチェ・アキュモーティブ社製。17.6kWhという容量は日産リーフのそれの7割強。航続距離は7割弱(EUモードで140kmくらい)だそうである。

スマートEDは電気自動車らしく120km/h強という最高速まで全域で力強い。リーフほど本気で突きつめられていないのか、加速時にインバーターノイズが目立つが、無音で走るよりはこれくらいのほうが気持ちいい。床下に重量物のバッテリーが置かれるために、市街地での乗り心地や重厚感はハッキリとしたメリットで、スマート特有の上下動はほとんど消え失せて、乗り味だけでいえばスマート随一である。

リーフやi-MIEVと比較したときのスマートED最大の欠点は(ベース車両に起因する実用性などをのぞけば)日本のインフラで急速充電ができないことだ。これは欧州メーカーが北米と結託して、日本の急速充電規格チャデモと異なる通称“コンボ”を推進しているから。スマートEDも当然コンボ規格であり、日本の街中で散見されるようになったチャデモ急速充電器は使えないのだ。こういう話を聞くとまったくイヤになるが、そもそも現状の電気自動車は「自宅充電で完結するシティコミューター」の用途に割り切って使うのが吉なわけで、個人的にはスマートEDの決定的な弱点ににはならないと思うけど。

(文・佐野弘宗 写真・田中秀宣)

スマート・フォーツー・カブリオ・ターボ

価格 219.0万円
0→100km/h 10.7秒
最高速度 145km/h
燃費 20.4km/ℓ
CO₂排出量 115g/km
車両重量 870kg
エンジン形式 直3ターボ, 999cc
エンジン配置 リヤ横置き
駆動方式 後輪駆動
最高出力 84ps/5250rpm
最大最大トルク 12.2kg-m/2000-4750rpm
馬力荷重比 97ps/t
比出力 84ps/ℓ
圧縮比 10.0:1
変速機 5段自動M/T
全長 2740mm
全幅 1560mm
全高 1540mm
ホイールベース 1865mm
燃料タンク容量 33ℓ
荷室容量 220-340ℓ
サスペンション(前) マクファーソン・ストラット
サスペンション(後) ド・ディオン
ブレーキ(前) ディスク
ブレーキ(後) ドラム
タイヤ(前) 175/55R15
タイヤ(後) 195/50R15

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事