「大胆なスピリット」は入れ替わった ボルボEX30と技術を共有 スマート#3へ試乗(1)

公開 : 2023.12.12 19:05

充分に練られていないシステム・デザイン

ダッシュボードの中央には、12.8インチの大きなタッチモニターが立ち上がり、実際に押せるハードスイッチは限定的。殆どの車載機能はモニターへ触れて操作するが、デジタル的な使いやすさはEX30の水準には届いていない。

タッチモニターの下にはショートカットキーが並び、インフォテインメント・システムの操作を補完できる。ところが煩雑で、狙い通りの役割は果たせていないと感じた。

スマート#3 プレミアム(欧州仕様)
スマート#3 プレミアム(欧州仕様)

ドライバーの正面には、小さなメーター用モニターが据えられ、上位グレードを選ぶとヘッドアップ・ディスプレイも装備される。パワーウインドウとドアロックは、従来のクルマのようにドアパネル側。これはハードスイッチで、操作しやすい。

ドアロックの音は、不思議とコミカル。ウインカーをオンにすると、カチカチとクラシカルな電子音が鳴る。

アダプティブ・クルーズコントロールや車線維持支援など、多様な運転支援システムが備わるものの、過剰に警告されるため、正直なところ逆効果。機能をオフにする手順も複雑で、それぞれのメニューに別れており、慣れても30秒ほどは掛かるだろう。

ソフトウエアだから、無線でのアップデートで改善は可能かもしれない。しかし、根本的にシステムのデザイン自体が、充分に練られていない印象。メジャーアップデートが施されるまで、ディーラーには不満が寄せられそうだ。

この続きは、スマート#3へ試乗(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

スマート#3へ試乗の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事