ベントレー・コンチネンタルGTC V8
公開 : 2012.11.26 18:14 更新 : 2017.05.29 19:03
今年に入り、新たなパワーソースとして、V型8気等エンジンを与えられたベントレー・コンチネンタルGTは、それまでのW12気筒モデルと合わせ、日本国内でも実に前年比150%以上の好調な売れ行きを示している。これは、V8とW12の両エンジンの搭載車の性格をはっきりと区別した戦略が的を得ていた、ということになる。
V8エンジンの採用は、2008年にベントレー社が発表したCO₂の40%削減という目標を実現するためで、新たにアウディの4ℓV8が選択された。このエンジンは、気筒休止システムを搭載するなどで、CO₂の排出量を劇的に減少させている。具体的にはW12エンジンの384g/kmから254g/kmにまで大幅な減少となった。同時にパワーも575psから507psに減少しているが、V8モデルをよりスポーティな味付けすることにより、むしろ、こちらの方が、パワーをダイレクトに感じる。
さて、今回はクーペに続き、オープンモデルとして新たに国内に導入されたGTCの試乗で沖縄を訪れた。10月の中旬ということで、まだ、最高気温は28℃と暑く、幌を開けて乗るには最高の環境であった。試乗に供されたのは、ライト・パープルの派手なエクステリア・カラーのGTCである。国内からのオーダーの殆どは、ホワイト、グレー、ブラックの3色だというから、なかなかお目に掛からない塗色であるが、実はこのコンチネンタルGTのデザインは、意外と華やかなカラーの方が似合うような気がする。最近はメタル・トップで自動開閉というのが定番になりつつあるが、このGTCは、伝統的なキャンバス地の幌である。このような高級ラグジュアリー・カーには、間違いなく、幌のほうが似合う。本革とウッドを豊富に使用したインテリアには、どうしてもキャンバス地でなくてはいけないのだ。むろん、今や、開閉は電動で、何の問題も無くあっという間に作動する。
一般道を流れに沿って走っている限り、エア・サスペンションの深いストロークと、重量のせいで、非常に重厚な乗り心地を得られる。しかし、いざ、アクセルを踏み込めば、軽くなったフロントの回頭性は非常によく、名に恥じぬ俊敏な走りが得られる。
各部の材質の選択や仕上げは、例によって、これ以上は無いというほど完成度を見せている。伝統というものがどのようなものであるのかを知りたければ、まずはこのクルマを見てみるに越したことは無い。
(文・笹本健次 写真・小宮岩男)
ベントレー・コンチネンタルGTC V8
価格 | 2380.0万円 |
0-100km/h | 5.0秒 |
最高速度 | 301km/h |
燃費 | 9.2km/ℓ |
CO₂排出量 | 254g/km |
車輌重量 | 2470kg |
エンジン形式 | V8ツインターボ3992cc |
エンジン配置 | フロント縦置 |
駆動方式 | 4WD |
最高出力 | 507ps/6000rpm |
最大最大トルク | 67.3kg-m/1700rpm |
馬力重量比 | 205ps/t |
比出力 | 127ps/ℓ |
圧縮比 | na |
変速機 | 8段A/T |
全長 | 4806mm |
全幅 | 1943mm |
全高 | 1403mm |
ホイールベース | 2746mm |
燃料タンク | 90ℓ |
荷室容量 | 200ℓ |
サスペンション | (前)ダブルウイッシュボーン |
(後)マルチリンク | |
ブレーキ | (前)φ405mmVディスク |
(後)φ335mm Vディスク | |
タイヤ | 275/40R20 |