ホンダ N ONE
公開 : 2012.11.26 18:48 更新 : 2017.05.29 19:10
ホンダは2015年までに軽自動車のニューモデルを6車種投入することを公言しており、このN ONEが3車種。土台となるプラットフォームはもちろん、軽最長ホイールベースを誇るセンタータンクのあれだ。共通プラットフォームのN BOX系が“タント対抗”だとすれば、こっちは“ワゴンRキラー”である。
このクルマが昨年の東モに出展されたNコンセプト4の市販型であり、往年のN360をモチーフとしているのはいうまでもない。市販型開発にあたって最もモメたのが、全高と後席位置という。結局のところ、全高はワゴンRよりわずかに低く、後席レッグルームは“フィット+α”に落ち着かせて、そのぶん荷室長に充てている。これらを最終的に決めた要因はスタイリングという。全高1610mmは“現代のN360”の雰囲気を壊さないギリギリ最大限の高さであり、後席は先に決まったリヤゲート傾斜角度に合わせた。
そのプロセスはともかく、N ONEのシートレイアウトは結果的に、実利のバランスがちょうどいいところに落ち着いている。180cm級の男性でも不足ない後席レッグルームを確保しつつ、荷室にはひと目で“使えそう”と思えるフロア前後長がある。Nシリーズの後席は座面チップアップ機構が備わるかわりにスライドしないのだ。また、今回はダウンサイジング層にもハッキリと照準を定めていることもあり、内外の質感やアクセサリー部品(ミニ商法にならったボディやグリルのデカール類も多い)の充実度はちょっとしたものだ。
今回は市街地の短時間試乗にかぎられたために、乗り味を詳細には語れないが、想像どおりによくできた感触。N BOXより約100kg軽いのでNAでも活発。上級の“プレミアム”シリーズは、これまでのカスタムとはちょっと異なり、遮音対策もノーマルより徹底する。ただ、走りや広さはトップランクのN ONEも、標準モデルの静粛性だけはちょっと気になったのが正直なところ。ファーストカーとして乗るなら、自然吸気でもプレミアムをフンパツしたほうが、フロントスタビも追加されて室内も静かで、幸せ度は高そうである。
(文・佐野弘宗 写真・神村聖)
ホンダN ONE
価格 | 115.0万円 |
最高速度 | na |
0→100km/h加速 | na |
燃費(JC08モード) | 27.0km/ℓ |
CO₂排出量 | 86.0g/km |
車両重量 | 840kg |
エンジン形式 | 直3DOHC、658cc |
エンジン配置 | フロント横置き |
駆動方式 | 前輪駆動 |
最高出力 | 58ps/7300rpm |
最大トルク | 6.6kg-m/3500rpm |
馬力荷重比 | 69.0ps/t |
比出力 | 88.1ps/ℓ |
圧縮比 | 11.2 |
変速機 | CVT |
全長 | 3395mm |
全幅 | 1475mm |
全高 | 1610mm |
ホイールベース | 2520mm |
燃料タンク容量 | 35ℓ |
指定燃料 | 無鉛レギュラー |
荷室容量 | 157ℓ |
サスペンション | (前)ストラット |
(後)トーションビーム | |
ブレーキ | (前)ディスク |
(後)ドラム | |
タイヤサイズ | 155/65R14 |