11月新車販売台数レポート 登録車は順調に回復 軽自動車の伸びは鈍化

公開 : 2023.12.06 07:25

・2023年11月の各メーカーの新車販売台数を分析
・軽自動車に買い控え傾向の影響か
・盛り上がる年末商戦 その先は国際情勢を注視する必要あり

登録車の前年実績超え 15か月連続に

部品の供給不足の改善を追い風に、生産状況が回復軌道に乗る日本の自動車メーカー。2023年11月期の新車販売は、その傾向が数値となって示された。

日本自動車販売協会連合会がまとめた登録車の11月期の新車販売台数(速報値)は、前年同月比15.1%増の25万5054台と11カ月連続でのプラス。

「クラウン・スポーツ」。トヨタ自動車の11月期の新車販売台数(登録車)は、前年同月比23.7%増の13万279台を記録した。
クラウン・スポーツ」。トヨタ自動車の11月期の新車販売台数(登録車)は、前年同月比23.7%増の13万279台を記録した。    トヨタ自動車

また、全国軽自動車協会連合会がまとめた11月期の軽自動車の新車販売台数(速報値)は、同0.3%増の15万6035台と4カ月連続でのプラスを成し遂げる。

結果として、トータルでの11月期の国内新車販売台数は同9.0%増の41万1089台と15か月連続での前年実績超えを達成した。

登録車の11月期のブランド別新車販売台数では、新車効果に一服感が出たスズキが前年同月比6.8%減の9095台、三菱自動車が同2.4%減の3231台、そしてロッキーのHV車の出荷停止が続くダイハツが同42.0%減の1987台と前年実績割れを記録。

一方、トヨタ自動車は同23.7%増の13万279台、ホンダは同14.5%増の2万9721台、日産自動車は同4.2%増の2万3109台、マツダは同16.9%増の1万560台、SUBARUは同24.6%増の9253台、レクサスは同159.3%増の6883台と前年実績超えを果たす。

また、貨物車のブランドでは新型エルフの販売が堅調ないすゞ自動車が同3.4%増の4322台、三菱ふそうが同27.1%増の3022台とプラスを継続し、また日野自動車は同15.2%増の2637台とプラスを回復。対して、UDトラックスは同22.2%減の766台とマイナスが続いた。

軽自動車 足踏みのスズキ・ダイハツ、新型N-BOXで勢いづくホンダ

軽自動車の11月期のブランド別新車販売台数は、前年同月比で6.5%減のマイナスだったものの5万3053台を売り上げたダイハツが4カ月連続でのシェアトップに就く。

最大のライバルのスズキは同4.4%減の4万6266台にとどまって、第2位に甘んじた。

「デリカミニ」。三菱自動車の11月期の新車販売台数(軽自動車)は、前年同月比72.7%増の6049台を記録した。
「デリカミニ」。三菱自動車の11月期の新車販売台数(軽自動車)は、前年同月比72.7%増の6049台を記録した。    三菱自動車

一方でホンダは新型に切り替わったNボックスの好セールもあって同11.3%増の2万8544台、デリカミニの販売が伸びた三菱自動車は同72.7%増の6049台とプラスを継続。また、日産自動車も同5.9%増の1万5637台とプラスを回復する。

そして、OEM供給を受けるブランドではトヨタ自動車が同29.4%増の2569台と前年実績超えを果たしたものの、マツダは同5.2%減の2686台、SUBARUは同26.6%減の1199台とマイナスに落ち込んだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大貫直次郎

    Naojiro Onuki

    1966年型。早稲田大学卒業後、自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、フリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)などのほか、レストア待ちの不動バイク数台。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』シリーズなど。

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