11月新車販売台数レポート 登録車は順調に回復 軽自動車の伸びは鈍化

公開 : 2023.12.06 07:25

好調が見込まれる年末商戦 今後に向け懸念要素も

11月期の新車販売の動きについて業界団体の関係者は、「前年11月期の新車販売台数が37万7079台と低水準だったこともあり、本年11月期は前年同月比で9.0%増を記録した。また、台数で見ても40万台超を果たし、新型コロナウイルス感染拡大前のレベルに近づいている。さらに、暦年では本年1月〜11月期で441万6247台と、すでに昨年1月〜12月期の420万1262台を超えた」

「ただし、登録車が前年同月比で2桁の伸びを継続しているのに対して、軽自動車の伸びは鈍化している。一部では物価高騰や実質賃金のマイナスによる買い控えが国民車といわれる軽自動車で発生しているとの意見もあり、このあたりは注視していく必要がある」と解説する。

年末商戦に向け三菱自動車は、デリカD:5に特別仕様車「CHAMONIX(シャモニー)」を設定。11月24日(金)から販売を開始している。
年末商戦に向け三菱自動車は、デリカD:5に特別仕様車「CHAMONIX(シャモニー)」を設定。11月24日(金)から販売を開始している。    三菱自動車

今後の展開に関しては、「新車の需要は新型車を中心に堅調で、また年末商戦に向けて新型車や特別仕様車が各メーカーから積極的に発売される予定。さらに、前年同期の新車販売台数が低迷していたことから、来月以降も前年実績超えを果たす可能性が高い」と指摘。

また、「生産調整はこれからも一部で続く見込みだが、その規模は着実に縮小していくと予想される。一方で懸念要素としては、依然として世界規模で続く部品の供給不安定や材料価格の高止まり、さらに円安傾向などが挙げられる。前述した物価高騰や実質賃金のマイナス、国民負担率の上昇なども、販売の面でマイナス材料。イスラエルとパレスチナの武力衝突によって、今後原油価格に影響が出るかどうかも気がかりな点」と示唆した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大貫直次郎

    Naojiro Onuki

    1966年型。早稲田大学卒業後、自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、フリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)などのほか、レストア待ちの不動バイク数台。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』シリーズなど。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事