レトロな三輪EV 英モーガン「XP-1」コンセプト公開 量産化に向け試験中

公開 : 2023.12.07 06:05

シンプルなインテリア 果たして価格は?

ボンネット前縁部の4か所の通気口には、合計100個のLEDが内蔵され、充電中に点灯してバッテリー残量(SOC)を表示する。

インテリアとしては、新しいインフォテインメント・スクリーンが装備されている。これはガソリン車よりも表示情報が少なく済むことと、ゼンハイザー製サウンドシステムを実験的に搭載しているためだ。このサウンドシステムは、シャシーに取り付けたアクチュエーターから音を出し、車両そのものを「サウンドボックス」に変えるというもの。

モーガンXP-1コンセプト
モーガンXP-1コンセプト    モーガン

モーガンのマーケティング責任者であるトビー・ブライス氏は、EV版スーパー3の発売は「2年、3年、4年計画には含まれていない」としたが、EVに対する需要が急速に高まる可能性から、計画は変更されるかもしれないと認めた。

価格については明言されておらず、ホール氏も部品表を「正確に把握する」のは難しいとしたものの、「スーパー3より少し上」の価格で販売できるだろうと語った。

モーガン最高技術責任者マット・ホール氏に独占インタビュー

――XP-1は、最終的な市販モデルとどの程度近いですか?

「あまり違いはないでしょう。わたし達はまだ多くのコンポーネントを実験中で、しばらく続けていくつもりですが、このクルマの試験段階を完了させるために1年のタイムテーブルを設定し、やり遂げました」

モーガン・モーター・カンパニーのマット・ホールCTO
モーガン・モーター・カンパニーのマット・ホールCTO

――空力研究によって大きな改良が加えられましたね。それはベースのガソリン車にも反映されるのでしょうか?

「一部は可能です。XP-1のエアロダイナミクスにつながる7つのイテレーションを試しました。この結果にはかなり満足しています」

――ハンドリングにはどのような変更を加えていますか?

「主にチューニング作業です。リアタイヤのタイプと空気圧を試しているところです。ナイトロン社のアジャスタブルダンパーを装着し、スプリングレートを変更しました。目的は、ターンインをシャープにして重量増に対応すること。ギアチェンジがなくても、ドライバーにクルマの魅力を感じてもらいたいんです」

――XP-1には走行モードが用意されていますね?

「はい。4種類あって、唐辛子のマークで表示されています。モードスイッチで、クルマの “辛さ” を決めるんですよ」

――モーガンらしいドライビング特性はどの程度あるのですか?

「たくさんあります。このような完全なプロトタイプを作った理由の1つです。主要コンポーネントを慎重に選び、キャリブレーションのほとんどを独自に行うのもそのためです。他者の制約を受けたくないのです」

――XP-1のドライビングはどのような感じでしょうか?

「最高ですよ。簡単で楽しい。低速域のパワーデリバリーのおかげで、ガソリン車よりもややクイックです。それがXP-1独自のキャラクターを生み出しています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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