ルノー・ルーテシア
公開 : 2013.09.13 19:10 更新 : 2017.05.29 19:22
今号発売時にも僅かながら残っているはずだと輸入元のいう5段M/Tの限定車。40台。レギュラー日本仕様と較べると、停止中も走行中もハッとするほど室内が静かで微振動フリー。いや本当に。それらは絶対的にもかなりの高水準で、これがルーテシア本来の状態なのかと驚かずにいられない。その違い、要因としてはトランスミッションしか思い当たらない。どマイナー仕様の4段A/T車はNV対策もそれなり、ということか(これだけ乗っているぶんには「それなり」で特にどうとも思わなかったけれど)。
ブレーキペダルの踏み応えがフヌケていなくて心強い一方、クラッチペダルはごく軽い。スムーズすぎてミートポイントがわかりづらいきらいはあるけれど、発進や変速の際にちょっとヘマをしてパワートレインをシャクらせては……等の心配はあまり、またはほとんど、しなくていい。そこに関しては電制スロットルも効いている印象。
エンジンは、ボトムエンドからモリモリ力強いタイプではないかもしれないけれど、上のギヤで1000rpmが普通に快適に使える。そこで3速だと20km/hちょい、4速で25km/hぐらい、5速では35km/h未満。5速100km/hは3000rpm弱で、レシオ×最終減速比はA/Tの4速とほぼ同じ。
ハンドル手応え。単体の第一印象は特にグレートというほどではない。「初期モノよりマトモそう」程度。ただし、235kmにわたる試乗中、進路の微修正をただの一度もやる必要がなかった。山道でも高速道でも一般道でも、ライン乱れず。見事なまでに。舗装が荒れていても。つまり骨格や足腰がいい。土台がしっかりしているからこそ操舵系もヘンなことになっていない、と判断。
トランスミッションの違いで、車検証記載の前軸重が30kgだけ軽い(というかこっちが本来の状態)。そのためか、山道のカーブではターンインのアンダーステアが弱いように感じられた。だからといって自分から嬉々として曲がりたがるようなことはなく、あくまでご主人様のお求めどおり。腰の座ったロールやドッシリしたリヤの踏ん張りは相変わらず。で、もっと、思いどおりに。コーナーの曲率にキレイに沿って旋回するのがきわめて易しいので嬉しくなってしまう。
(文・森 慶太 写真・田中秀宣)
ルノー・ルーテシア エクスプレッションMT
価格 | 204.8万円 |
0-100km/h | 10.2秒 |
最高速度 | 190km/h |
燃費 | 14.9km/ℓ |
CO₂排出量 | 160g/km |
車両重量 | 1160kg |
エンジン形式 | 直4DOHC, 1598cc |
エンジン配置 | フロント横置き |
駆動方式 | 前輪駆動 |
最高出力 | 112ps/6000rpm |
最大最大トルク | 15.4kg-m/4250rpm |
馬力荷重比 | 96.6ps/t |
比出力 | 70.1ps/ℓ |
圧縮比 | 9.7:1 |
変速機 | 5段M/T |
全長 | 4025mm |
全幅 | 1720mm |
全高 | 1485mm |
ホイールベース | 2575mm |
燃料タンク容量 | 55ℓ |
荷室容量 | 288-1038ℓ |
サスペンション | (前)マクファーソン・ストラット |
(後)トレーリングアーム | |
ブレーキ | (前)φ260mmVディスク |
(後)φ240mmディスク | |
タイヤ | 185/60R15 |