「世界一美しいクルマ」をオマージュ 1台限りのハイパーカー 内外装に専用デザイン

公開 : 2023.12.11 06:25

・ブガッティがシロンをベースとする新型のワンオフ車を公開。
・1934年のタイプ57 SCアトランティックをオマージュしたデザイン。
・最高速度439km/hの性能に影響なし。

ブガッティ 世界に1台だけの特注車を製作

フランスの自動車メーカーであるブガッティは、1934年のタイプ57 SCアトランティックへのオマージュとして、新型のワンオフモデル「57ワン・オブ・ワン」を発表した。

シロン・スーパースポーツをベースに、内外装を大幅に変更している。生産枠が完売し、後継車のデビューを間近に控えたシロンとしては最後の1台となる。

ブガッティ57ワン・オブ・ワン(右)とタイプ57 SCアトランティック(左)
ブガッティ57ワン・オブ・ワン(右)とタイプ57 SCアトランティック(左)    ブガッティ

57ワン・オブ・ワンは、ブガッティを所有したことのない米国人顧客から依頼を受けて製作された。世界で最も美しいクルマとも言われるタイプ57 SCアトランティックのように、「アイコニック」な1台となることを目指している。

磨き上げられた14本の縦スラットを備えた馬蹄形フロントグリルをはじめ、傑出したデザインが採用されている。ボディとホイールに施されたブルーのカラーリングは、オリジナル車両を参照したもので、リアスポイラーの下側にはアトランティックの手描きシルエットと車名の「57 One of One」が書かれている。

その他の部分では、縦置き4本出しマフラー、C字型のサイドプロファイル、際立ったベルトライン、エアロダイナミクスのために大部分が覆われたW16エンジンベイなど、「標準的」なシロン・スーパースポーツを踏襲している。

世界で最も美しいクルマをオマージュ

ブガッティのパーソナライゼーション・プログラム「Sur Mesure」の主任デザイナーであるヤッシャ・ストラウブ氏は、次のように語っている。

「何年もの間、わたしはこのアイコンを再解釈することをぼんやりと夢見ていました。ですから、これまでで最もエレガントなクルマに敬意を表するために何をするか、すでに自分なりのアイデアを持っていました。つまり、わたし達はすぐに腰を据えて、(お客様の)ビジョンを実現するために一緒にデザインを進化させることができたのです」

ブガッティ57ワン・オブ・ワン
ブガッティ57ワン・オブ・ワン    ブガッティ

ブガッティによると、こうした特殊なデザイン要素を取り入れても、439km/hの最高速度に必要な仕様を満たしているという。

インテリアではブラウンのガウチョレザーを大胆に使用し、ドアパネルにアトランティックのシルエットを手縫いであしらい、センターコンソールには車名を記したインレイが施されている。

ヘッドレスには、ブガッティが1926年のタイプ41ロワイヤル以来、最高級車に使用してきた「ダンシング・エレファント」のグラフィックが描かれている。

このワンオフモデルの購入価格は不明だが、4億円超のシロン・スーパースポーツを大幅に上回ることだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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