フェラーリ812後継 V12搭載で2024年登場か 排ガス規制への向き合い方は

公開 : 2023.12.12 06:05

・フェラーリ812スーパーファストの後継車がまもなく登場。
・最高出力800ps超のV12エンジン搭載か。電動化、ターボ化は?
・最高峰のグランドツアラー、排ガス規制にどう向き合う?

最高峰のV12グランドツアラー

イタリアの自動車メーカーであるフェラーリは、まもなく導入する新型車の開発の最終段階にある。812スーパーファストの後継車として、最高出力800ps超のV12エンジンとともに2024年にデビューを飾る見込みだ。

この新型車は、イタリアで何度もテスト走行しているところを目撃されている。当初はカモフラージュとしてローマに似せた格好だったが、現在は市販仕様と思われるボディを身にまとっている。

フェラーリがV12 GTカーの次世代モデルを開発中(編集部作成予想CGイメージ)
フェラーリがV12 GTカーの次世代モデルを開発中(編集部作成予想CGイメージ)    AUTOCAR

また、電動車のプロトタイプに必要な高電圧警告ステッカーや充電ポートがないことから、現行型812と同様、大幅に電動化することはなさそうだ。

フェラーリは、296やSF90、そして2025年に導入予定の完全EVなどで電動化を進める一方で、デイトナSP3とプロサングエなど、フラッグシップモデルには12気筒エンジンを存続させることを以前から公言してきた。

フェラーリのデザイン責任者であるフラビオ・マンツォーニ氏は以前、本誌の取材でこう語っている。

「個人的には、このエンジンのために戦わなければならないと考えています。技術的な観点からは、最も効率的というではありません。V8ターボにすれば、パフォーマンス面ではもっと向上するでしょう。しかし、エモーショナルな観点からは、このエンジンがベストなんです」

フェラーリは新型車のプロトタイプを公式には認めていないが、同社の関係者は最近、2024年に発売予定であることをほのめかした。「これまでのクルマのライフスタイルを見れば、いつ新型を送り出すかを推測するいいヒントになるだろう」

フロントエンジンのV12グランドツアラーの系譜として、フェラーリが812を発表したのは2017年で、F12はその5年前、599はさらにその6年前であることから、新型車の登場は間近に迫っていると考えていいだろう。

フェラーリのV12はどうなる?

2022年、フェラーリは2026年までに販売台数の40%を純エンジン車とし、2030年までには20%まで減少させるという計画を発表した。

しかし今年初め、同社のベネデット・ヴィーニャCEOは、EU(欧州連合)が2035年以降もeフューエル(合成燃料)使用車の販売を認めれば、フェラーリのエンジン車はそれ以降も数年間販売され続ける可能性があると示唆した。

イタリアで目撃されたフェラーリのプロトタイプ
イタリアで目撃されたフェラーリのプロトタイプ    AUTOCAR

ヴィーニャCEOはeフューエルの認可について、「我々にとって、そして世界にとって、非常に良いことです。(エンジンは)効率の面でも、排出ガスの面でも、できることはたくさんあります」としたが、その排出ガス削減策がどのようなものなのか、詳しくは語らなかった。

フェラーリはV12エンジンの電動化計画を示しておらず、296 GTBはV6を、SF90はV8を使用している。

一部の報道では、V12がターボ化される可能性を指摘しているが(理論的にはパワーが向上し、排出ガスが削減される)、フェラーリがそのような計画を口にしたことはない。エンジンのパフォーマンスについても詳しいことは定かではない。

サーキット走行に特化した812コンペティツィオーネは最高出力830psを発生し、SP3デイトナはさらに840psにパワーアップして、フェラーリで最もパワフルな純エンジン車となっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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