FFの4気筒か 四駆の6気筒か アルファ・ロメオ・ブレラ/スパイダー 英国版中古車ガイド(2)

公開 : 2023.12.30 17:46

アルファ・ロメオの新世紀を飾ったブレラとスパイダー 惹き込まれるジウジアーロのスタイリング 長距離移動を楽々とこなす 英国編集部が魅力を再確認

多様なエンジンが存在 既に入手困難な部品も

アルファ・ロメオブレラスパイダーの欧州仕様には、ガソリンからディーゼルまで多様なエンジンが存在した。税金や維持費が異なるため、どれを選ぶべきかは良く考えたいところ。

予算に応じてエンジンを選べる点は、今でも魅力の1つといえるだろう。ちなみに日本へは、2.2Lの4気筒と3.2Lの6気筒の2種類が正規導入された。

アルファ・ロメオ・ブレラ/スパイダー(2005〜2011年/英国仕様)
アルファ・ロメオ・ブレラ/スパイダー(2005〜2011年/英国仕様)

基本的なメンテナンスに必要な消耗品を除いて、交換部品は入手が難しくなっている。ただし、英国では熱心なアルファ・ロメオ・マニアも多く、独自に修理を済ませた再生部品が取引されている。パワーウインドウ・スイッチなどは特に心強い。

純正のエグゾーストシステムは、非常に珍しく高価。多くの場合、社外品へ交換されているようだ。

商談を進める前に、整備履歴と現在の状態をしっかり確かめる。横向きに搭載されたV6 エンジンの場合、手前側の点火プラグは交換しやすいものの、奥側は作業が少々面倒。稀に奥側だけ放置されている事があるため、注意したいところ。

エンジンがミスファイアを起こしているなら、点火プラグの劣化を疑う。あるいは、点火コイルの故障かもしれない。ディーゼルエンジンでは、パティキュレート・フィルターが不調になることがある。

長距離移動を楽々とこなすグランドツアラー

年式的に、ガソリンエンジンのタイミングチェーンや、ディーゼルエンジンのタイミングベルト、ウォーターポンプの交換など、大きな作業が迫っている場合が多い。継続的に乗るうえで不可欠といえるが、車両価格と比較すると高く感じられてしまうはず。

欧州では長距離を移動する目的で乗られた例も多く、ディーゼルエンジンでは特に走行距離は長め。MTが主流で、ATは少ない。スパイダーは全般的に走行距離が短く、ATも多い傾向がある。

アルファ・ロメオ・ブレラ/スパイダー(2005〜2011年/英国仕様)
アルファ・ロメオ・ブレラ/スパイダー(2005〜2011年/英国仕様)

スパイダーのソフトトップは、固定ラッチを外せば自動で開閉する。システムは故障しがちで、完全に動作するか予め確かめたい。新しい制御ユニットや油圧ポンプは入手できないようだが、英国には修理を引き受けてくれる専門ショップがある。

ボディやシャシーは、下回りにサビがないか、ホイールアーチ・ライナーが正しく固定されているか確かめたい。サスペンションは、アーム類やボールジョイント、スプリング、ハブベアリングなどの状態を調べる。純正部品は入手困難で、社外品の寿命は短い。

スポーツカーというよりグランドツアラー的で、乗り心地は快適志向。長距離移動を楽々とこなせる。サスペンションがヘタると、その魅力は霞んでしまう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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