さらば、フランスのベストセラー小型EV ルノー・ゾエ 2024年3月生産終了へ

公開 : 2023.12.13 18:05

・2012年発売のルノーの小型EV、ゾエ(Zoe)が来年3月に生産終了。
・自動車安全テストで「最低評価」を獲得したことなどが話題に。
・欧州では40万台近く売り上げ、フランスではベストセラーEVに。

仏流の小型EV 安全性「最低評価」も話題に

フランスの自動車メーカーであるルノーは、欧州で販売する小型EVのゾエ(Zoe)の生産を2024年3月をもって終了する。英国などではすでに販売停止となっており、11年にわたるモデルライフに幕を下ろす。

ゾエの最後の1台は3月30日にフランスから出荷される予定だ。トゥインゴのEV版、トゥインゴZ.E.エレクトリックも同時に生産終了となる。

ルノー・ゾエ
ルノー・ゾエ

ルノーの広報担当者は本誌の取材に対し、ゾエの生産終了は、新型ルノー5 Eテック・エレクトリックを導入するためだと語った。このモデルは、2月のジュネーブ国際モーターショーで公開予定である。

ゾエは52kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電での航続距離は383kmと、最新のライバルに対して競争力を維持している。ちなみに、新型5にも52kWhのバッテリーが搭載され、航続距離は約400kmとなる。

ゾエは欧州全体で38万台以上が販売された。欧州では2015年と2016年の2年間、EVとして販売台数トップに立った。フランスだけで10万台以上が販売されるなど、ルノーのEV普及を支える基礎となった。

発売直後の2013年、初期型が自動車安全テストのユーロNCAPで5つ星を獲得したものの、2021年の改良後には史上3番目の「星なし(最低評価)」を獲得したことで話題となった。

ルノーの製品パフォーマンス責任者であるブルーノ・ヴァネル氏は最近、ゾエをアップデートしてEU(欧州連合)の新しい安全基準GSR2に適合させるためにはコストがかかると本誌の取材で語っている。

ルノーは現在、ハイブリッド車とEVを共存させたラインナップ構築に注力している。しばらくの間、EV専用車はゾエしかなかったが、現在はメガーヌEテックを販売しており、さらに今後はセニック、5、4を追加する予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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