ロータリーエンジンの栄枯盛衰 名車・珍車36選 前編 メーカー各社の挑戦

公開 : 2023.12.17 18:05

マツダ・サバンナ/RX-3

1971年のRX-3は、車名の数字とはあべこべに、前年のRX-2よりも小型だった。日本ではサバンナの名で知られているが、基本的にはグランドファミリアのロータリー版である。セダン、クーペに続いて1972年に追加されたスポーツワゴンは、世界初のロータリーエンジン搭載ステーションワゴンである。

7年間にわたって販売され、セールスにおいては大成功を収めた。3タイプあわせて28万6757台が販売され、ピーク時の1973年だけで10万5819台(1970年までのマツダのロータリー総生産台数を上回る)を記録した。当時においてはロータリー車ベストセラーであり、現在でも第2位にランクされている。

マツダ・サバンナ/RX-3
マツダ・サバンナ/RX-3

マツダ・ルーチェ/RX-4

RX-4は、2代目ルーチェの輸出用ロータリー版(もうお馴染みのアイデア)であり、以前のルーチェR130の直接的な後継車であった。

1972年に登場し、セダン、クーペ、そして後にステーションが用意された。年間販売台数は10万台には届かなかったが、1974年以降は毎年サバンナ/RX-3を上回る販売台数を記録した。

マツダ・ルーチェ/RX-4
マツダ・ルーチェ/RX-4

日産サニー

日産は1960年代から1970年代初頭にかけてロータリーエンジンに本気で取り組み、1972年の東京モーターショーではツインローターのサニー(輸出名:ダットサン1200)のプロトタイプを展示するまでに至った。

しかし、翌年のモーターショーにはロータリー車の展示はなく、サニー・ロータリーの市販車も発表されなかった。日産は1974年、これ以上ロータリーエンジンの開発に取り組まない方針を示した。

日産サニー/ダットサン1200
日産サニー/ダットサン1200

シボレー・エアロベット

現在エアロベット(Aerovette)として知られるこのクルマは、6.6Lのシボレー製スモールブロックV8エンジンを搭載しているが、もともとはGMのロータリーエンジン計画によって開発されたロータリーのコンセプトカーであった。

1973年の初公開時には市販化の可能性が高いと思われていた。2ローターのXP-897 GTと、これを2基繋げた4ローターのXP-895が存在するが、石油危機の影響もあってV8へと変更された後、プロジェクト事態がお蔵入りとなった。

シボレー・エアロベット
シボレー・エアロベット

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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