ロータリーエンジンの栄枯盛衰 名車・珍車36選 後編 伝統の復活と継承
公開 : 2023.12.17 18:25
・ロータリーエンジンの歴史をゆっくり振り返る後編。
・次々と現れては姿を消していく試作車。意外なあのメーカーも挑戦?
・水素を燃やしたり、発電に使われたり。ロータリーの進化は止まらない。
もくじ
ーアルファ・ロメオ・スパイダー&1750
ーシボレー・ベガ
ーシトロエンGSビロトール
ーシボレー・モンツァ
ーマツダ・ロータリー・ピックアップ
ーAMCペーサー
ーマツダ・ロードペーサーAP
ーマツダ・コスモ/RX-5
ーラーダ・クラシック
ーマツダRX-7(初代)
ーラーダ・サマーラ
ーマツダRX-7(2代目)
ーユーノス・コスモ
ーマツダ787B
ーマツダRX-7(3代目)
ーマツダ・ロードスター/MX-5
ーマツダRX-8
ーマツダ・プレマシー
ーアウディA1
ーマツダ・デミオ
ーマツダMX-30
アルファ・ロメオ・スパイダー&1750
アルファ・ロメオは独自のロータリー計画を立ち上げ、ロータリーエンジンをスパイダーと1750に実験的に搭載するまでに至った。
他社がロータリーに情熱を注ぐ中、1973年にアルファ・ロメオは信頼性の低さと燃費の高さを理由に手を引いた。現在はアレーゼのアルファ・ロメオ博物館にエンジンのみが保管されており、ロータリー開発プロジェクトが実在したという唯一の物的証拠となっている。
シボレー・ベガ
ゼネラルモーターズのロータリーエンジン計画は、ベガの生産開始と同じ1970年に始まった。当初はロータリー版ベガが発売される可能性はなかったが、やがて1974年モデルへの導入が噂されるようになる。
プロトタイプが製作され、テストも行われたが、最終的にはGMの判断によってロータリー開発から撤退することになった。1970年から1977年にかけて約200万台のベガが販売されたが、そのすべてにピストンエンジンが搭載されている。
シトロエンGSビロトール
前述のM35に対する好意的な反響に勇気づけられたシトロエンは、GSに新しいコモトール製エンジン(今回はツインローター)を搭載したビロトールを1973年に投入する。標準のGSよりもはるかに高価であり、驚異的なスピードで燃料を消費したが、それはまさに世界的な石油危機の中で誰も望んでいないものだった。
当然のことながら、売れ行きは芳しくなく、プロジェクトはほぼ即座に破綻した。シトロエンは同エンジンを発展させ、ヘリコプターに搭載している。1974年、シトロエンは経営破綻し、プジョーに救済されることになった。GSビロトールだけがその原因ではなかったものの、少なくとも助けにはならなかった。
シボレー・モンツァ
先のベガとは異なり、シボレー・モンツァはGMのツインローターエンジンを搭載し、1975年のモデルイヤーから発売される計画だった。
ロータリー計画が放棄されたことはベガの項でお伝えした通りで、モンツァのロータリー版がどんな結末を辿ったかは推して知るべし、といったところだろう。モンツァは4気筒、6気筒、8気筒のエンジンを搭載して販売されたが、ローターは導入されなかった。
マツダ・ロータリー・ピックアップ
2代目Bシリーズがすでに10年近く生産されていた頃、マツダはヴァンケルエンジンをトラックに搭載し、世界で唯一のロータリー・ピックアップを生み出した。
1974年から1977年まで、米国とカナダでのみ販売された。約1万5000台のロータリー・ピックアップのうち、ほぼすべてが1974年に製造されたというデータを見れば、世界的な石油危機がロータリーエンジン車にどのような影響を与えたか、一目瞭然だろう。
画像 伝統のロータリーエンジン、ついに現代へ復活【マツダMX-30 eスカイアクティブR-EVを写真でじっくり見る】 全42枚