ロータリーエンジンの栄枯盛衰 名車・珍車36選 後編 伝統の復活と継承
公開 : 2023.12.17 18:25
マツダRX-7(初代)
1978年から2002年までの3世代にわたって、マツダは81万1634台のRX-7を生産した。総販売台数の半分以上を占めるのが初代で、単体のロータリー車としては最も人気がある。
この栄光は間違いなく、トップクラスのモータースポーツでの大勝利に助けられたものだ。RX-7はスパとデイトナの24時間レース、オーストラリア・ツーリングカー選手権、そして1980年と1981年にはウィン・パーシー氏(1943年生まれ)の運転で英国サルーンカー選手権(後のBTCC)を制したのだ。
ラーダ・サマーラ
ロータリーエンジンを搭載したラーダ・クラシックに驚かれた方は、サマーラの存在を知ると、さらに驚かれるかもしれない。
サマーラの発売は1984年だが、ロータリー版が登場したのは90年代に入ってからのようだ。生産台数はごく少数だが、警察や当局だけでなく個人顧客によって購入された例も多く、最高出力は140psとされている。
マツダRX-7(2代目)
1985年、初代に代わって2代目RX-7が登場。基本的にはクーペで(コンバーチブルも用意された)、スタイリングは初代に似ているが、より現代的に仕上げられた。
ツインスクロールターボを採用し、最高出力は後期型で約200psに高められた。最高速度は240km/h、0-100km/hは6秒だった。
ユーノス・コスモ
1990年に日本でのみ発売された最後のコスモ。頭から爪先までマツダそのものだが、当時はユーノスブランドから販売された。3つのローターを持つ初のヴァンケルエンジン搭載の市販車であり(メルセデス・ベンツC 111はプロトタイプだった)、ツインターボチャージャーを備えている。
最高出力は公式には280psで、これは当時の「自主規制」による上限値であった。コスモは、GPS対応の衛星ナビゲーション・システムを搭載した最初の市販車でもある。
マツダ787B
787Bは、1991年にル・マン24時間レースで優勝したことで知られるグループCレーシングカーの最終モデルだ。ロータリーのイメージに反して特別速いわけではなく、予選では劣勢に立たされたものの、非常に信頼性が高くライバル車がトラブルに見舞われる中、最後まで走り切った。
ベルトラン・ガショー氏、ジョニー・ハーバート氏、フォルカー・ヴァイドラー氏の3名がドライブした787Bは、2位のジャガーに2周の差をつけてゴール。これは日本車による初の、そして2018年まで唯一のル・マン優勝だった。1992年からはレギュレーションが変更され、ピストンエンジン搭載車のみとなったため、ロータリー車の優勝はもう見られないかもしれない。
画像 伝統のロータリーエンジン、ついに現代へ復活【マツダMX-30 eスカイアクティブR-EVを写真でじっくり見る】 全42枚