実は「2.2Lディーゼル」がイチオシだった? ホンダ・アコード(8代目) 英国版中古車ガイド

公開 : 2023.12.27 19:05

ホンダを代表するサルーン、アコード 欧州市場で苦戦を強いられた8代目 2.2Lディーゼルターボが英国編集部のオシ 中古車で魅力を振り返る

欧州市場で苦戦を強いられた8代目

ホンダを代表するサルーン、アコード。1976年の初代以降、連綿と歴史を重ねてきた。1980年代半ばのアコード・エアロデッキはカッコ良かった。6代目のユーロR(タイプR)や海外仕様に存在したクーペなど、読者の記憶に残るモデルが1台はあるだろう。

2008年の、8代目アコードへかかる期待も高かった。ボディサイズはひと回り大きくなり、シャープなスタイリングが与えられた。ところが、7代目と似た雰囲気だったことで、新鮮味が薄かったことも事実だ。

ホンダ・アコード(8代目/2008〜2013年/英国仕様)
ホンダ・アコード(8代目/2008〜2013年/英国仕様)

英国市場に投入されたエンジンは、2.0Lと2.4Lの自然吸気4気筒と、日本未導入だった2.2Lの4気筒ディーゼルターボ。複数の最高出力から選ぶことができたが、いずれも先代からの改良版だった。

シャシーは大幅に進化しつつ、ステーションワゴンのツアラーは、サルーンとホイールベースを共有。荷室は7代目から小さくなっていた。巧妙なマルチリンク式サスペンションのおかげで、サルーンの荷室も僅かに狭まっていた。車重も数10kg増えていた。

新型という話題性が薄れると、販売は減少。欧州市場では苦戦を強いられた。真新しいダッシュボードを備えていたが、ライバルも実力を向上。安価で好印象なフォード・モンデオと、高価で優れたBMW 3シリーズなどに挟まれる格好になった。

2.2Lディーゼルターボが英編集部のオシ

だとしても、中古車の評価を下げるものではない。英国市場を見ると、ツアラーの方が価格は高めで、数としてはサルーンの方が多い。会社からの貸与車両として乗られることが多かった過去を考えれば、納得できる。

200psを発揮する2.4Lガソリンのi-VTECが最もパワフルだが、英国仕様では5速ATが標準装備。ノイズも大きく、ベストチョイスにはならない。156psの2.0L i-VTECは、坂道などでやや気張る必要がある。

ホンダ・アコード(8代目/2008〜2013年/英国仕様)
ホンダ・アコード(8代目/2008〜2013年/英国仕様)

英国編集部が推すのは、2.2Lのi-DTECと呼ばれたディーゼルターボだ。最高出力には2段階があり、150psの方が滑らかで静か。179ps仕様は珍しいが、最大トルクは38.6kg-mと太く、探す価値はある。6速MTも、正確なシフトフィールが気持ち良い。

2011年に8代目はフェイスリフト。前後のデザインに手が加えられ、ヘッドライトも新しくなった。インテリアにも変更を受けている。リアシート側は足元の空間にゆとりが足りないものの、それを除けば居心地は良い。

8代目アコードの魅力といえるのが、安定した操縦性。高速道路の速度域では、落ち着き洗練された、快適な乗り心地が光る。加えて、ホンダだから信頼性は高い。激しく飛ばすドライバーでなければ、まだ充分な魅力が備わっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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