ベントレー 戦前のレーシングモデルをゼロから生産 同時に熟練工の技術を次世代へ継承

公開 : 2023.12.17 11:45  更新 : 2023.12.17 20:19

スピード・シックスについて

6 1/2リッターの高性能バージョンであるスピード・シックスは、1929年と1930年のル・マンでウルフ・バーナート/ヘンリー・ティム・バーキン卿/グレン・キッドソンの手により優勝し、最も成功したレーシングベントレーとなった。

スピード・シックスのシャシーは、6 1/2リッターのスポーツバージョンとして1928年に導入されたものだ。ツインSUキャブレター/高圧縮比/高性能カムシャフトを採用したエンジンは、183psまで向上し、1928年から1930年にかけて、182台のスピード・シックスが製造された。

ベントレー・コンティニュエーションプロジェクト
ベントレー・コンティニュエーションプロジェクト

レーシングバージョンのスピード・シックスはさらに開発が進められ、圧縮比は6.1:1/最高出力は200psとなった。ル・マンでの連続優勝により、スピード・シックスはベントレーの歴史にその名を刻むこととなり、1929年の優勝はレースにおける優位性の新たなベンチマークとなったという。

ウルフ・バーナートとサー・ヘンリー・ティム・バーキンがドライブしたスピード・シックスは、1周目からチェッカーフラッグが振られるまでレースをリードし、他の3台のベントレーがそれに続いた。

バーキンは平均時速83マイルで7分21秒のラップ新記録を樹立し、それまでの記録を46秒も縮めるとともに、優勝したスピード・シックスは、2844kmというレース距離の新記録も樹立した。ひとつのメーカーによるこのような圧倒的なパフォーマンスは、ル・マンではそれ以降30年近く破られることは無かったとベントレーは述べている。

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  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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