ポルシェ944の「高次元なライバル」 マツダRX-7(FC型) 真打ちはロータリー 英国版中古車ガイド

公開 : 2023.12.19 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は

1ポンド当たりの性能で考えれば、RX-7は間違いなくお買い得。最高速度238km/h、0-400mダッシュを14.9秒でこなす俊足の持ち主だ。ライバルより2万ポンドほど安い。マツダ自らライバルとするのは、ポルシェ944 ターボだ。(1989年7月5日)

マツダRX-7 カブリオレ(FC型/2代目/1987〜1992年/英国仕様)
マツダRX-7 カブリオレ(FC型/2代目/1987〜1992年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

ディーン・リチャーズ氏

「2代目RX-7の最大の価値は、比較的手頃な価格で真のパフォーマンスを手に入れられること。ただし、ロータリーエンジンはブローしがち。ボアへ注入されるオイルが足りなくなると、不調を招きます」

「冷間時の始動性が悪かったり、点火コイルが故障しやすいという問題もあります。それでも、スポーティで楽しいクルマをお探しなら、RX-7は好適だと思いますよ」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

ロータリーエンジンはエンジンオイルを消費する。こまめにチェックして補充し続けないと、大きな問題を引き起こす。FC型では5000kmから1万km毎か、半年毎にエンジンオイルを交換したい。過去の整備状態と、実際に滑らかに回転するかも確かめたい。

驚くほどスムーズなフィーリングが正常。少しでも乱れるようなら、潤滑系が不調な可能性がある。

マツダRX-7 カブリオレ(FC型/2代目/1987〜1992年/英国仕様)
マツダRX-7 カブリオレ(FC型/2代目/1987〜1992年/英国仕様)

点火不良や明らかなパワー不足は、ローターの頂部3か所に埋め込まれた、アペックスシールという部品の摩耗かもしれない。油温が上昇する前に負荷を掛けると、ダメージを与えてしまう。可能なら、圧縮比のテストもしたいところ。

トランスミッションとサスペンション

変速時にギアの回転を調整するシンクロメッシュの調子と、異音、クラッチの滑りを確かめる。

段差を越えた時にカツカツと音がする場合は、リアサスペンション・ブッシュのヘタリ。交換したい。

ボディとインテリア

塗装の品質はさほど高くない。色褪せやクリア層の剥離は考えられる。シャシー回りなど、腐食がないか観察する。サンルーフ装備車はサイドシルに水が溜まりがちで、そこが錆びやすい。リアハッチのガラス周辺や、ホイールアーチなども弱点。

電装系がすべて動作するか確かめる。劣化による基盤のハンダ不良で、不調に陥るケースが多い。ドアの内張りなど、内装は堅牢とはいえない。ドアハンドルやドアポケットも壊れやすいようだ。

カスタマイズ

日本製スポーツカーらしく、オーナーが何らかの改造を施している場合が殆ど。アフターマーケット・パーツの品質や取付状態の良し悪しも、チェックポイント。

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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