ポルシェ912をフルカーボンで 空冷4気筒、車重699kgの軽量レストモッド

公開 : 2023.12.20 06:25

・フルカーボンボディで車重699kgに軽量化されたポルシェ912が登場。
・ハンガリーの企業が高度なレストモッドを発表、デザインは維持。
・強化された空冷2.0L 4気筒、5速ギア、エアコンなど装備。

フルカーボンの912レストモッド

チューニングやレストモッドで知られるKAMM社は、ポルシェ912をベースとするチューニングキット「912c」にカーボンファイバー製ボディを採用した新エディションを追加した。

1965年型ポルシェ912のボディをフルカーボンとし、軽量化を追求。公道走行可能な仕様で車両重量は699kgとされている。オリジナル車から300kg、標準のKAMM 912cからは51kgの軽量化となる。

KAMM 912c(フルカーボン仕様)
KAMM 912c(フルカーボン仕様)    KAMM

KAMMの創設者であるミクローシュ・カズメール(Miklos Kazmer)氏は次のように語っている。

「わたしは完璧主義者で、912cを改良する革新的な方法を常に追求しています。新しいカーボンファイバー製ボディはその好例で、完璧なフィット感、驚異的な強度、そしてさらなる軽量化を実現しています。さらに、2024年型912cでは、ドライビングの喜びをさらに高め、より実りある所有体験を提供できるよう、さまざまな機能強化を実施する予定です」

ボディをフルカーボンに変更するだけでなく、空冷2.0L 4気筒エンジンのパワーアップ、高速安定性の向上を目指したエアロダイナミクス改善、風切り音の低減など、幅広い改良が加えられている。

性能の詳細は明かされていないが、標準の912cでは最高出力190ps、0-100km/h加速6.0秒、最高速度は225km/hとされる。軽量化などにより、さらなる性能向上が期待される。

その他では、50:50に近い前後重量配分、5速「ドッグレッグ」トランスミッション、ZF製リミテッド・スリップ・ディファレンシャル、油圧式ハンドブレーキ、マルチアジャスタブル・ダンパーなど、標準車と大きな差はない。

インテリアでは、最新のスマートフォンに対応したステレオシステムと、改良型エアコンが装備される。標準車には特注のカーボンファイバー製シート、軽量カーペット、カーボンファイバー製トリムが装備される。

ハンガリーの首都ブダペストを拠点とするKAMMは、シート、ホイールの仕上げ、ボディカラーなど、「無制限」のオプションにより顧客の要望に合わせて1台1台オーダーメイドでクルマを製造している。

エクステリアの仕上げについては、フルペイントか、カーボンパネルむき出しの状態かを選択することができる。

912cのフルカーボンキットは、ベースとなるポルシェ912の費用を含めて40万ユーロ(約6330万円)から。ベース車を顧客自身で持ち込む場合、価格は36万ユーロ(約5700万円)となる。KAMMによると、オーダー枠はほぼ埋まっているという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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