まるで「会員制の高級クラブ」 レクサスRZ 長期テスト(4) LBXの内装は価格以上の水準

公開 : 2023.12.30 09:45

レクサス初のバッテリーEV専用モデルとなるRZ 高価格帯のSUVとして充分な能力を備えるのか 英国編集部が長期テストで確認

積算5336km 安定した航続距離の予想

先日の週末は、ミュージック・フェスティバルへ出かけた。レクサスRZの荷室容量は580L。リアシートの背もたれを折りたたむことなく、テントと大きなバッグ、食料、キャンプ道具などを問題なく積むことができた。

うれしい事実が、航続距離の予想が安定していること。自宅まで、まったく不安を抱かずに済んだ。

レクサスRZ 450E タクミと筆者、ウィル・リメル
レクサスRZ 450E タクミと筆者、ウィル・リメル

積算7683km ゴルフとの相性が良い

レクサスRZは、ゴルフとの相性が良いようだ。パンとバターのように。

先週に引き続き、荷室は沢山の荷物で満たされた。ゴルフクラブのセット3組と折り畳めるカート1台を、余裕で飲み込んでくれた。リアシートの背もたれを起こしたままで。

レクサスRZ 450E タクミ(英国仕様)
レクサスRZ 450E タクミ(英国仕様)

積算8631km レクサスLBXの発表会へ

とある平日に、新しいレクサスの発表イベントへ招かれた筆者は、小さな地下駐車場へ案内された。かつてバーバリーが使用していたという、ミシンの横を通り過ぎて。そこにはソファーが用意され、リビングルームのように仕立てられていた。

ファッションブランドのクリエイティブ・スタジオが、隣接しているらしい。少し奇妙な体験だったが、レクサスのイベントとしては理に適っているのかもしれない。プレミアムなブランドとして。

英国でのレクサスLBXの発表会の様子
英国でのレクサスLBXの発表会の様子

そこでお披露目されたのが、レクサスLBX。エントリーモデルに位置するコンパクト・クロスオーバーだが、実はトヨタヤリス・クロスと多くを共有している。ただし、Lのロゴマークへふさわしい内容へ仕立てるため、多くの変更が加えられている。

上位モデルの価格を高く感じさせる上質さ

長期レポートでLBXへ触れようと思った理由は、極めて上質なインテリアを備えていたから。トップグレードの英国価格は、約3万9000ポンド(約722万円)と決してお安くないものの、7万4000ポンド(約1369万円)のRZと、遜色なく思えたほど。

内装素材には高級感があり、手で触れる部分は風合いに優れ、製造品質はソリッド。RZよりひと回り小さい、タッチモニターがダッシュボードの中央に据えられている。

レクサスLBXの車内(欧州仕様)
レクサスLBXの車内(欧州仕様)

もちろん、全体的な高級感ではRZに届いていない。ガソリンエンジンのハイブリッドで走るコンパクト・クロスオーバーだから、ターゲットとするユーザーも異なるだろう。それでも、価格以上の水準に思えた。

LBXのエントリーグレードの場合、英国価格は約2万9000ポンド(約537万円)から。既存の上位モデルの価格設定を、高く感じさせてしまうのではないかと、余計な心配をしてしまった。

英国のレクサスを取り仕切るクリス・ヘイズ氏へ、そんな疑問を投げかけてみた。「LBXが、ブランドへダメージを与えるとは考えていません」。と、彼は自信を持って答える。

「販売後のクルマの残存価値は、レクサスにとって販売時の価格と同等に重要です。そのため、全体的なボリューム管理を徹底しています。見た目から受ける価格感が、1番大切なわけではありません」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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