究極のハンドリングを味わえる中古車 28選 後編 メガーヌからNSX、フェラーリまで

公開 : 2023.12.23 18:25

メルセデス・ベンツE 63 AMGステーションワゴン

古典的だが、獰猛な6.2L V8、正確なステアリング、使いきれないほどの室内空間など、数々の美点を備えている。英国では2万ポンド(約360万円)をわずかに下回る価格から購入できる。

メルセデス・ベンツE 63 AMGステーションワゴン
メルセデス・ベンツE 63 AMGステーションワゴン

三菱ランサーエボリューションX FQ-360

最終世代のエボは確かに「FQ(くそ速い)」なクルマで、ラーテル(イタチ科の動物)のようにアグレッシブなステアリングと妥協のないハードな乗り心地が特徴だ。小さい子供から大きい子供まで、みんなターボの呼吸音を好むだろうが、その分安くはない。英国では2万ポンド(約360万円)が最低価格のようで、多くの個体が改造されている。

記事の最後に、ベスト・オブ・ベストを紹介したい。

三菱ランサーエボリューションX FQ-360
三菱ランサーエボリューションX FQ-360

ホンダNSX

初代NSXの純粋なドライビング・エクスペリエンスは非常に魅力的で、1991年と1992年の本誌のグループテストで初の2連覇を果たし、それから丸10年を経た2002年でもトップ5入りを果たしている。1991年の優勝時には、同時代のポルシェ911さえも「無能」と思わせるほどで、「圧倒的な差で、これまで乗った中で最高のハンドリングを持つクルマ」と評価された。

残念なことに、このような素晴らしいクルマであるがゆえに、おどろくほど高価になってしまった。くたびれた個体ですら5万ポンド(約900万円)以下で見つけるのは困難で、低走行のものは優に一桁繰り上がる。

ホンダNSX
ホンダNSX

ポルシェ911 GT3

正確なフィードバック、栄光のフラットシックス、稀に見る柔軟なキャラクターにより、2021年の本誌のテストでトップに躍り出た911 GT3。後述のアリエル・アトムの3連覇を阻止した1台だ。

「このクルマは正確に走らせることも、ヨボヨボと走らせることもでき、そのどちらも気に入っているようだ」と本誌は評価した。2022年には、ケイマンGT4 RSの脅威に直面したが、サーキットでも公道でも従順な911が再び勝利を手にした。とはいえ、手に入れるには17万ポンド(約3000万円)以上は必要だろう。

ポルシェ911 GT3
ポルシェ911 GT3

アリエル・アトム4

アトム4はサーキットと同じように公道でも楽しく走れる、「サーキット・トイ」である。

しかし、意外にも群を抜いていたのはウェット路面での落ち着きだった。フェザー級マシンが劣悪なコンディションでこれほど優れたドライバビリティを発揮することはめったにない。中古車価格は6万ポンド(約1000万円)前後から始まり、時にはその倍まで上がることもある。

アリエル・アトム4
アリエル・アトム4

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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