マツダ・サバンナRX-7(初代)を借りてみた 滑らかなロータリーエンジン 想像以上に可愛いFB型
公開 : 2024.01.02 19:05
クラシックではないパワートレインの印象
改めて乗ってみると、エンジンとトランスミッションの滑らかさに驚く。近年では、さほど頑丈なユニットを組み合わせる必要がないため、トルクの小さいスポーツカーへMTが残されている場合が多い。そんなモデルと同じくらい、印象が優れている。
エンジンの本領を発揮させるには、しっかり回す必要がある。低速域でも扱いやすいとはいえ、意欲的に吹け上がる。アクセルレスポンスは鋭く、聴き惚れてしまうほど艷やかなサウンドを朗々と放つ。
回転数が上昇すると、振動も収まる。若干粒のあるエグゾーストノートと相まって、スズメバチの羽音のような高音が響く。
パワートレインの印象は、スタイリングやインテリアと違って、クラシックではない。6000rpmを超えると、7000rpmのレッドラインが近いことを、警告音で教えてくれる。無視していると、キャブレターが故に、それ以上回ってしまう。
操縦性も素晴らしい。ステアリングにはパワーアシストが備わらないが、素早く腕を動かせばロックトゥロック約4回転のラックを使い切れるだろう。かなりスローレシオだから、3代目RX-7のようにドリフトには向いていない。
現代の高速道路でも問題なく巡航できる
1980年代のクーペらしく、しっとり愉しむのが適している。タイヤは13インチで、185/70というサイズ。乗り心地は柔らかく、反応は素直で、安楽に乗っていられる。
ステアリングの反応も自然。コーナーを攻め込むと、比較的低いグリップの限界を迎えるまで、ボディはロールしていく。
現代の高速道路でも、問題なく巡航できる。クラシックカーとして考えると、感動するほど扱いやすい。ロータリーエンジンは、20世紀が終わって約20年が経過しても、魅力的に思えた。
マツダは、現在に相応しいクルマをデザインしてくれるだろうか。今から少しずつ貯金を始めておいた方が良いかもしれない。広島で、いつゴーサインが出されるかわからない。
※この記事のオリジナルは、2015年10月17日に執筆されました。
画像 想像以上に可愛いFB型 マツダ・サバンナRX-7 コスモとRX-8 MX-30 R-EVに最新アイコニックSPも 全102枚