999台限定、1012馬力のPHEV 英アストン マーティン、2024年生産開始

公開 : 2023.12.25 06:05

・アストン マーティンの電動スーパーカー、ヴァルハラは来年生産開始。
・新たなプロトタイプの画像公開、ヘッドライトなど一部デザイン変更か。
・4.0L V8ツインターボに2基のモーター、最高出力は1012ps。

最新プロトタイプ公開 デザイン変更か

英国の自動車メーカーであるアストン マーティンは、スーパーカーのヴァルハラの最新プロトタイプを公開した。2024年から999台限定で生産する予定だ。

ヴァルハラはハイブリッド化された4.0L V8ツインターボから最高出力1012psを発生し、シャシーにはF1技術を応用したセットアップを施す。同社初のPHEV(プラグインハイブリッド車)であり、「アストン マーティンの新たな定義を告げるもの」とされている。

アストン マーティン・ヴァルハラのプロトタイプ
アストン マーティン・ヴァルハラのプロトタイプ    アストン マーティン

ヴァルハラはまた、アストン マーティンの変革プラン「プロジェクト・ホライゾン」においても不可欠なモデルでもある。同社は2026年までに8車種もの新型車を発表する予定で、その中にはヴァンテージやDBSの後継車なども含まれる。

今回公開された画像では、英国のシルバーストン・サーキットでテスト走行を行うヴァルキリーのプロトタイプの姿が写っている。公道テストは年明けから開始される予定だ。

また、ヘッドライトのデザイン変更が確認できる。上部に3連のLEDデイタイム・ランニング・ライトが装備され、印象を改めている。エアロパーツのディテールにも違いが見られるが、市販仕様かどうかは明らかではない。

車両価格は未定だが、以前から噂されていた100万ポンド(約1億8000万円)より低く、60万~70万ポンド(約1億~1億2500万円)に設定されると予想されている。

F1技術を応用した次世代スーパーカー

ヴァルハラは2019年にコンセプトモデルが公開されたが、F1チームが開発に参加したことでその内容は大きく変わった。当初計画されていた自社開発V6エンジンの搭載は見送られ、メルセデスAMGの4.0L V8ツインターボに変更された。これに8速DCTを組み合わせ、後輪駆動としている。

AMG GTブラックシリーズと同様、ヴァルハラのV8はフラットプレーン・クランクを採用し、パフォーマンスとレスポンスの高さが強調されている。リアデッキ上部の軽量エグゾーストシステムには調整可能フラップを備え、「本物のアストン マーティンのサウンドキャラクター」を実現するという。

アストン マーティン・ヴァルハラのプロトタイプ
アストン マーティン・ヴァルハラのプロトタイプ    アストン マーティン

同社の市販車としては初めて、フロントとリアに電気モーターを1基ずつ搭載し、204psを発生させる。パワートレイン全体の合計出力は1012psに達し、0-100km/h加速2.5秒、最高速度350km/hを実現。そして、ニュルブルクリンクのラップタイム6分30秒を目標としている。

EVモードではフロントモーターのみを使用し、バッテリーの電力で約13km走行できるが、通常の走行状況ではエンジンを支援し、必要に応じて前後アクスルにトルクを配分する。電子制御式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルによりトラクションを高め、8速DCTから従来のリバースギアを切り捨てることで軽量化を図っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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