スズキ・ワゴンR
公開 : 2012.12.18 17:48 更新 : 2017.05.29 18:41
新型ワゴンRはご覧のように、興味のない人にはどこが変わったのか分からないくらいの超絶キープコンセプトである。ただし、モノ自体は従来型とはまったく別物。ホイールベースが従来より25mm伸びたプラットフォームはMRワゴンと同様の最新世代、R06A型エンジンもアルトエコで徹底的に高効率化された最新世代である。もっとも、これらの基本内容は事前の予想どおりだけど……。
「とにかく燃費!」は数年前からの鈴木会長兼社長のトップダウン指令だったそうで、ワゴンRではまさにスズキ燃費技術のショーケース。特徴的なのは、リチウムイオン電池による徹底的なエネルギー回収、エアコンに蓄冷機能をもたせて真夏でもアイドルストップ時間を長くしたこと(気温35度の炎天下でも1分以上)、そして減速時に13km/hでエンジンが止まることなど。
この前倒しアイドルストップはミライースで7km/h、アルトエコで9km/h、そして今回が13km/h……と、まるで競争めいている。しかし、これはギヤボックス(ワゴンRはジヤトコの副変速機付きCVT7)のトルコン・ロックアップ解除速度とも密接にかかわっており、新型ワゴンRは今回の13km/hで「ロックアップによるフューエルカット→アイドルストップ」のシームレスなつながりを達成して、ついに「停止までの燃料ゼロ減速」を実現したという。つまり、これ以上の前倒しは意味がない。かりにギヤボックスのロックアップ領域が拡大すれば、今度はアイドルストップ速度も逆に低くなるはずだ。
走ってもワゴンRはワゴンRである。すなわち、この種のハイト軽としては最も自然で接地感のあるハンドリング。車重も大幅に軽くなった(先代比で最大70kg軽量化)ので、エンジンパワーは不変でも動力性能は活発になった。NAでもけっこうよく走る。ただ、NAモデルはとにかく燃費優先で、タイヤの指定空気圧はなんと2.8bar。FX系ではフロントスタビも省略されるので、乗り心地はちょっと硬すぎの感あり。ワゴンRで操縦性と乗り心地を重視するなら、全車スタビ付きのスティングレー、それももっとも快適でしっとりのターボをフンパツしたくなる。
(文・佐野弘宗 写真・田中秀宣)
スズキ・ワゴンR
価格 | 124.95万円 |
0→100km/h加速 | na |
最高速度 | na |
燃費(JC08モー ド)/td> | 28.8km/ℓ |
CO₂排出量(JC08モード)/td> | 81g |
車両重量 | 780kg |
エンジン形式 | 直3DOHC、658cc |
エンジン配置 | フロント横置き |
駆動方式 | 前輪駆動 |
最高出力 | 52ps/6000rpm |
最大最大トルク | 6.4kg-m/4000rpm |
馬力荷重比 | 66.7ps/t |
比出力 | 79.0ps/ℓ |
圧縮比 | 11.0 |
変速機 | CVT |
全長 | 3395mm |
全幅 | 1475mm |
全高 | 1640mm |
ホイールベース | 2425mm |
乗車定員/td> | 4名 |
燃料タンク容量 | 27ℓ |
荷室容量 | na |
サスペンション | (前)ストラット |
(後)アイソレーテッド・トレーリングリンク | |
ブレーキ | (前)ディスク |
(後)ドラム | |
標準タイヤサイズ | 155/65R14 |