思わず言葉を失った意外過ぎるクルマ 40選 後編 どうしてこんなコトを…

公開 : 2024.01.02 18:25

トヨタ・アイゴ・クレイジー(2008年)

機械的には、アイゴ・クレイジーはゴルフGTI W12-650よりも控えめだったが、その背後にある思想は同じように自由奔放だった。トヨタもミドシップ方式を採用し、エンジンはMR2やセリカにも搭載された1.8Lユニットをターボ化して最高出力200psを発生させる。参考までに、標準のアイゴに搭載されている1.0L 3気筒エンジンの最高出力は69psに過ぎない。

0-100km/h加速は5.75秒、最高速度は204km/hと推定される。推定にとどまるのは、試乗時に「誰も確認する勇気がなかった」からだ。

トヨタ・アイゴ・クレイジー(2008年)
トヨタ・アイゴ・クレイジー(2008年)

レクサスLFA(2010年)

トヨタの高級車ブランドであるレクサスは1989年に高級セダンをリリースし、後にSUVやスポーティモデルへと多角化した。しかし、2007年のIS Fでさえも、LFAの登場を予感させるものではなかった。

「スーパーカーのルールブックを書き直そうとしている」LFAは、カーボンファイバー製チューブのフロントに最高出力560psの4.8L V10エンジンを搭載した。我々は完璧にまとまっているとは思わなかったが、レクサスがこれまで生産した中で最も驚くべきマシンであることに変わりはない。

レクサスLFA(2010年)
レクサスLFA(2010年)

アストン マーティンシグネット(2011年)

アストン マーティンがシグネットを発表したとき、人々は驚きのあまり眉をひそめ、テーブルの下に潜り込んで震えた。コンセプトはともかく、実物は1970年代のラゴンダよりもさらに奇妙で、トヨタiQの装備レベルを上げ、マイルドなスタイルに変更し、価格を上乗せしただけのものだ。

従来の小型車の中では、「今世紀で最もダサいクルマの1つに数えられるに違いない」と我々は判断したが、アストンは需要があると信じていた(あるいは、そう主張していただけかも)。そして実際、需要は存在したのだが、それはアストンが期待していたよりもはるかに小さなものだった。

アストン マーティン・シグネット(2011年)
アストン マーティン・シグネット(2011年)

フェラーリFF(2011年)

フェラーリ初の「SUV」であるプロサングエの登場は、20年前には考えられなかったが、自動車業界の発展によってほぼ必然的なものとなった。一方、FFはまったく異質な存在であり、フェラーリがこんなものを夢見るとは誰も予想しなかった四輪駆動のステーションワゴンである。

前輪はたまにしか駆動しないし、「ステーションワゴン」というより「シューティングブレーク」と言ったほうがいいかもしれない。それでも、フェラーリはFFを「自動車界の革命にほかならない」と表現し、我々もこのクルマを「理念でも実行力でも他の追随を許さない、4人乗りのハイパーカー」と呼んだ。

フェラーリFF(2011年)
フェラーリFF(2011年)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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