トヨタ・オーリスRS
公開 : 2012.11.18 18:36 更新 : 2021.01.28 17:39
新型オーリスはエンジンに応じてリヤサス形式を使い分ける。具体的には1.5ℓがトーションビーム、1.8ℓがダブルウィッシュボーンとなる。オーリスの主市場である欧州でもこのリヤサス使い分けは踏襲されるそうで、欧州では1.6ℓガソリンと2.0ℓターボディーゼル、そしてハイブリッドがダブルウィッシュボーン、1.3ℓガソリンと1.4ℓターボディーゼルがトーションビームになるのだという。
商品企画ではゴルフ、操安性ではフォーカスをベンチマークにしたという基本性能は低くなく、どのモデルもそれなりに走るが、一頭地ぬけているのはやはりRSだ。RSは唯一のハイオク仕様エンジンとM/Tが与えられる。サスペンション(リヤはもちろんダブルウィッシュボーン)も専用チューンでバネとショックを引き締めたうえに、リバウンドスプリングが追加される。
もっとも、“RS”というネーミングにルノースポールや歴代ポルシェRSを想像すると、見事なまでに肩すかしを食らう。その種のものをお望みならばオススメしない。ハイオク仕様といってもエンジンはまったく実務的な性格だし、乗り心地は新型オーリス全体のなかで最も快適だ。
ただ、RSというネーミングの是非をひとまず横に置けば、オーリスRSのシャシー性能はちょっとしたものだ。この種のクルマではロール量は小さくないが、とにかくアシがよく動いて、接地感(とくにリヤ)が濃厚。内足がしなやかにベッタリ吸いつくフィーリングは、いい意味で往年のフランス車的でもあり、フロントのリニアリティも高く、キッカケを与えればヨーコントロールも自在。「この感じは最近どこかで……」と思ったら、操縦感覚はゴルフVIというよりプジョー308に似る。考えてみれば、こういうフツーのCセグメントのM/T車は貴重。オーリスRSは“RS”という名には似つかわしくないかもしれないが、マニア心をくすぐる存在になりえる。
ちなみにオーリスRSは16インチタイヤが標準だが、サスチューンの開発はオプション17インチが中心だったそうで、今回は17インチしか乗れなかったが、たしかにその気配は濃厚。オーリスRSを本気で考えている人は参考までに。
結論
フツーに乗れるCセグをM/Tで乗れるのは、現在の日本ではオーリスRSとプジョー308プレミアムだけ……という貴重な存在。RSは先代から受け継ぐグレード名だが、「本来の性格とズレている」と賛否両論あったとか。
(文・佐野弘宗 写真・神村聖)
トヨタ・オーリスRS
価格 | 225.0万円 |
0-100km/h | na |
最高速度 | na |
燃費(JC08モー ド) | 14.4km/ℓ |
CO2排出量 | 161g |
車両重量 | 1460kg |
エンジン形式 | 直4DOHC、1797cc |
エンジン配置 | フロント横置き |
駆動方式 | 前輪駆動 |
最高出力 | 144ps/6200rpm |
最大トルク | 18.4kg-m/3800rpm |
馬力荷重比 | 98.6ps/t |
比出力 | 80.1ps/ℓ |
圧縮比 | 10.6 |
変速機 | 6段M/T |
全長 | 4275mm |
全幅 | 1760mm |
全高 | 1460mm |
ホイールベース | 2600mm |
乗車定員 | 5名 |
燃料タンク容量 | 50ℓ |
荷室容量 | 360〜1200ℓ |
サスペンション | (前)ストラット |
(後) ダブルウィッシュボーン | |
ブレーキ | (前)Vディスク |
(後) ディスク | |
標準タイヤサイズ | 205/55R16 |