多角的に攻める中国ニオ(NIO) 小型車専用ブランド「ファイアフライ」設立へ 2024年

公開 : 2023.12.27 06:05

・ニオは多角的なブランド展開を計画しており、2つの新ブランドを欧州に導入する。
・「ファイアフライ」はフォルクスワーゲンやルノーのような小型車中心のEVブランドへ。
・「アルプス」はテスラをライバル視している。

小型車から高級車まで… 欧州市場を攻めまくる

中国の自動車メーカーであるニオ(NIO)は、小型車をメインとする新ブランド「ファイアフライ」を2024年に欧州市場に導入する。

ファイアフライはニオの社内コードネームであり、正式名称ではないが、「欧州向けに設計・開発された」ブランドだという。小型で比較的安価なEVを取り扱い、販売台数の拡大を狙う。

高級車、ミドルクラス、小型車に各ブランドの焦点を当てていく。
高級車、ミドルクラス、小型車に各ブランドの焦点を当てていく。

欧州でライバルとなるのは、主にフォルクスワーゲンルノーBYDだろう。フォルクスワーゲンは2025年発売予定の小型EV「ID.2」を開発中で、ルノーは新型5 Eテック・エレクトリックを来年発売する。BYDは小型のドルフィンを発売したばかりだ。

ニオのEVはバッテリー交換システムを特徴としており、専用施設では約5分で交換を終え、充電時間を短縮することができる。現在、より小型のバッテリーに対応したプラットフォームを新たに開発中で、吉利汽車(ジーリー)や長安汽車といった他社への技術提供も行うという。

新プラットフォームは、急速充電が可能な800Vシステムを採用し、バッテリー交換ステーションの少ない地域に対応する。

ニオは現在、ET5などの高級志向のEVモデルを、ドイツをはじめとする欧州5か国で販売している。今後は多角的にブランドを展開する計画だ。

まず、中心となるニオはメルセデス・ベンツBMWアウディといった既存の高級車ブランドと競合し、ファイアフライは前述の通り小型車を専門とする。「アルプス」と呼ばれる別のサブブランドは、テスラモデルYモデル3に焦点を当てているという。

いずれも電動化が進む欧州市場に導入し、EVメーカーとしての地位を確立しようとしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニック・ギブス

    Nick Gibbs

    英国編集部ビジネス担当記者
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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