【独自】ビッグモーター営業社員が買取現場にて暴行罪で逮捕 → 不起訴になった理由は?

公開 : 2023.12.31 11:05

・【独自】記憶に新しいビッグモーター社員とネクステージ社員のトラブルに関して
・ビッグモーター和泉社長の「アツい」対応
・買取を依頼した売主への取材も含みます

ネクステージ社員と買取現場でトラブル発生

ビッグモーターの営業社員Aさんと競合するネクステージ営業社員Bさんの間で買取に関してトラブルが発生した。

新聞やTVなどでも報道されたため、覚えている方もいらっしゃるだろう。買取の現場で二人が鉢合わせし、そこでトラブルになった。

ビッグモーター不正報道
ビッグモーター不正報道

事件が起こったのは2023年8月30日のことだ。現場は京都府南丹市にある秋田良子さんの自宅駐車場である。ちなみに秋田さんは1973年にご主人がフェラーリ社まで行って買ってきたというディーノに今も乗り続けているスーパーカー界のレジェンドの一人である。

もちろん、今回、秋田さんが買取を依頼したのはディーノではない。ふだん仕事で使っているホンダフリードである。クルマの一括査定をお願いするのも初めてのことであった。

「前夜に一括査定をお願いして、最初に来て値段を出してこられたのがネクステージの方でした。予想していた値段よりだいぶん高い査定額を出していたんです。だからもうネクステージで決めようと。それで、ビッグモーターに電話をしてお断りしたんですよ」

ビッグモーターとネクステージはライバル関係にある。ビッグモーターからネクステージに転職した社員は数百名レベルで大変多い。実際、秋田さん宅に訪れたネクステージ社員も元はビッグモーターの社員だった。

スマホでネクステージ営業が、ビッグモーター営業をいきなり撮影

秋田さんはAさんに断りの連絡をしたのだが「査定だけでもさせてください」とやや強引に秋田さん宅にやってきた。そして出された金額は、なんとネクステージより10万円も高い175万円。

それをBさんに伝えたところ、こちらも173万円まで上げてきた。ビッグモーターのほうが2万円高かったが、秋田さんが希望する入金日に合わせることができないなどの理由で、結局ネクステージが買い取ることになった。

「京33」ナンバーのディーノのオーナーでもある。スーパーカー歴47年!
「京33」ナンバーのディーノのオーナーでもある。スーパーカー歴47年!

事件が起きたのはこの後である。秋田さんがいったん、家に戻っている間にトラブルが起きてしまった。

「私は現場を見ていないのであくまでも推測なんですが、BさんがAさんの写真を撮り始めたそうなんです。最初は165万円で話がついていたところ、あとから来たAさんが高い値段を出したため結局173万円まで上げて買い取りになりました。Bさんとしては値段を上げた理由を上司に伝えなくてはならず『ビッグモーターと競り合った』ことの証明として、写真を撮ったんじゃないかと思います。

Aさんは当然、気分を害しますよね。理由もなく写真を撮り始めて。

その撮影をやめさせようとBさんの肩を押したら、はずみでよろけて転んでしまった。でもBさんにけがはなかったんです。ズボンに花壇の土がついて汚れた程度です。ケガをしたのはむしろ、Aさんのほうですね。スマホを奪い合うときに、BさんがAさんの手に爪を立てて力を入れたようでAさんの指の付け根から出血してましたよ」

秋田さんが現場に戻った時、Bさんは乗ってきたクルマに戻って車内に閉じこもっていた。そこで110番をした模様。そして、わらわらと秋田さん宅のすぐ近くにある京都府警南丹署の警察官とパトカーが数台集まってきた。ビッグモーター営業のAさんは南丹署に連れていかれてしまった…

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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