世界を変えたフォード 覚えておきたい偉大な名車 49選 前編
公開 : 2024.01.03 18:05
フォード・モデルY(1932年)
1911年、モデルTの生産が英マンチェスターでも始まったが、1930年代初頭には現地の経済は深刻な問題を抱えていた。購入価格も税金も安いクルマを求められたフォードは、非常にベーシックなモデルYを投じた。英国の4人乗り自動車としては記録的な価格となる100ポンドで発売したのだ。
幸運なことに、モデルYは大成功を収め、当時の出力8psクラスの販売台数の40%を占めた。ドイツを含む他の欧州地域でも生産され、工場のある地名からケルンと呼ばれた。
フォード・モデル18(1932年)
後述するように、フルサイズのアメリカン・フォードはしばしばグループ化され、最初に生産された年式の名前で総称される。1932年から始まったことだが、今回はモデル18に焦点を当てる。
モデル18で重要なポイントは、3.6L V8エンジンがデビューを飾ったことである。その形状(バルブがシリンダーの上ではなく横に並んでいる)からフラットヘッドと呼ばれるが、欧州ではサイドバルブと呼ばれている。当時、V8エンジン自体は目新しいものではなかったが、比較的廉価なクルマに搭載されたという事実は新鮮だった。
1937年型フォード
1937年のフォードは、従来のモデルよりも流線型のボディを持つ先進的なモデルだ。しかし、クライスラー(1934年に急進的すぎるエアフローを発表)の失敗から学び、消費者に敬遠されるほどの奇抜な外観は避けた。
大成功を収めたフラットヘッドV8エンジンを引き続き搭載し、派生型として安価な2.2Lバージョンも用意された。
(写真:モデル78デラックス・フェートン)
1941年型フォード
この時代の多くのクルマに言えることだが、1941年型フォードの生産は第二次世界大戦によって中断された。そうでなければどれだけ生産されたかは分からないが、37年型よりフレームが頑丈になり、ホイールベースとボディ幅の拡大により室内空間が大幅に拡張された。
もちろんフラットヘッドV8が継承されたが、2.2Lバージョンは廃止され、新しい3.7L直6が導入された。
(写真:スーパー・デラックス・セダン)
フォードFシリーズ(1948年)
フォードは早い段階からトラック市場の可能性に気づいていた。第二次世界大戦まではトラックは基本的に乗用車から派生したものだったが、「ボーナスビルト」としても知られる初代Fシリーズは異なる。最初からトラックとして設計され、ボディタイプや性能も非常に多様だった。Fシリーズはその後、どんな不況でも確実に売れるロングランシリーズとなっている。