世界を変えたフォード 覚えておきたい偉大な名車 49選 後編

公開 : 2024.01.03 18:25

・世界有数の自動車メーカー、フォードが生んだ傑作を振り返る。
・モデルT、サンダーバード、マスタング、Fシリーズなど忘れられない名車がずらり。
・歴史を変えた革新性、消費者の心を掴んだパッケージ……。

フォード・コーセル(1968年)

ブラジル・フォードは、ウィリス・オーバーランドの現地事業を買収したことでコーセルの開発プロジェクトを継承した。1960年代、ウィリスは現地でルノー車を生産しており、ルノー12の技術を利用してコーセルを開発していたのだ。

フォードがコーセルの生みの親というわけではないが、発売後に改良を行い、1977年にはほぼ全面的にデザインを変更した。フォードの努力のおかげで20年近く生産が続けられ、最終的に1986年に販売終了となった。

フォード・コーセル(1968年)
フォード・コーセル(1968年)

フォード・カプリ(1969年)

欧州におけるマスタング的な存在で、「いつも自分に約束していたクルマ」という謳い文句を用いたカプリは、実際よりもエキサイティングな外観が特徴的だ。中身は基本的に第2世代のコルチナだが、流麗なクーペボディにより、それ以上のものに見えたのだ。

フォードは、1.3Lのケントから3.0LのエセックスV6まで、実にさまざまなエンジンを用意している。エセックス以上のパフォーマンスを求める南アフリカでは、ヨハネスブルグのバジル・グリーン・モーターズ社が開発した5.0LウィンザーV8を搭載するカプリ・ペラーナという選択肢もあった。

フォード・カプリ(1969年)
フォード・カプリ(1969年)

フォード・トリノ・タラデガ(1969年)

トリノ・タラデガはトリノの派生モデルで、1969年初頭にのみ生産された非常に短命なマッスルカーである。スポーツルーフのファストバックボディをベースとし、空力的に有利なリアエンドを備えているが、フォードは空気抵抗をさらに減らすために特別なノーズをあつらえた。

その目的はNASCARで競争力を持たせるためであり、予選通過に十分な台数しか作られなかった。トリノ・タラデガは、同時代の(そしてほぼ同一の)マーキュリー・サイクロン・スポイラーIIとともに、この目的のために設計された4台のエアロ・ウォリアーのうちの1台だ。その効果は絶大であったため、必然的に当局によって足を引っ張られ、完全に禁止された(モータースポーツではよくあること)。

フォード・トリノ・タラデガ(1969年)
フォード・トリノ・タラデガ(1969年)

フォード・エスコートRS1600(1970年)

RS1600が初代エスコートの究極形態であることに疑問の余地はない。英エセックス州のフォード・アドバンスト・ビークルズ・オペレーションで作られるコスワースBDAエンジンを搭載しており、このエンジンは1.6Lクロスフロー式ケントのボトムエンドに16Vツインオーバーヘッドカムを載せたものだ。

BDAは標準で120psを発生するが、秘めたる潜在能力は数字では語れない。RS1600はラリーでフォードの主力となったほか、サーキットでも抜群の成績を収めた。

フォード・エスコートRS1600(1970年)
フォード・エスコートRS1600(1970年)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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