世界を変えたフォード 覚えておきたい偉大な名車 49選 後編

公開 : 2024.01.03 18:25

フォード・フォーカスRS(2001年)

世界ラリー選手権仕様の間にはほとんど接点がないが、フォーカスRSは優れたホットハッチとして名を馳せた。ただ、トルクステアによってわずかに評判を損ね、これはリミテッド・スリップ・ディファレンシャルが原因とされた。(実際はフロントサスペンションの設計に起因するもので、第2世代で改良された)。

ずっと後のフォーカスRSには四輪駆動が採用されたが、初代にはなかった。ジャーナリストがメディア向け発表会でその理由を尋ねると、10秒以内に2つの矛盾する答えが返ってきた。広報担当者は広報担当者らしく「必要ない」、開発担当者は開発担当者らしく「そんな余裕はなかった」と返答した。

フォード・フォーカスRS(2001年)
フォード・フォーカスRS(2001年)

フォードGT(2004年)

GT40の生産終了から35年後、フォードは創立100周年記念事業の一環として、GTと呼ばれる後継車を発表する。先代と同様、V8エンジンをミドマウントする2シーターであるが、新型は5.4Lのスーパーチャージャー仕様だ。ロードカーとしての販売メインで開発され、派生としてレース仕様が製作されるという手順は先代と逆だった。

GTはわずか2年間しか生産されなかった。2016年には、ツインターボの3.5L V6エコブーストを搭載する別のモデルがデビューした。

フォードGT(2004年)
フォードGT(2004年)

フォード・マスタング(2004年)

第5世代マスタングはレトロフューチャーなスタイリングを採用し、1960年代の初代モデルのキャラクターが与えられた。第5世代はまた、1979年以来のマッスルカーである。

V6エンジンも用意されていたが、最もメジャーなのはもちろんV8だ。2013年型シェルビーGT500では、スーパーチャージャー付き5.8L V8から最高出力662psを発生し、最高速度は320km/h以上と謳われた。

フォード・マスタング(2004年)
フォード・マスタング(2004年)

フォード・フィエスタ(2008年)

最終型エスコートとその後継の初代フォーカスのコントラストは非常に鮮明だったが、10年後に新型フィエスタが発表されたときも、先代との違いは大きかった。先代をはるかに凌ぐ出来栄えで、英国では瞬く間にベストセラー車となり、2009年から2017年の販売終了まで途切れることなく販売ランキングの上位に君臨した。シャシーは非常に優れていたため次世代にも引き継がれている。悲しいことに、2023年7月に生産終了となった。

フォード・フィエスタ(2008年)
フォード・フィエスタ(2008年)

フォード・レンジャー(2011年)

長い間、レンジャーの名は北米内外で販売される全く別のピックアップトラックに使用されてきた。2011年、グローバルモデルとして新型レンジャーが登場し、各市場での呼称が統一された。新型はオーストラリア・フォードによって開発され、洗練性や安全性など多くの分野で先代を凌駕している。欧州の自動車安全試験ユーロNCAPでは、トラックとしては史上初の最高評価5つ星を獲得した。

当初は米国とカナダでは販売されていなかったが、2019年モデルから両国で販売されるようになった。

フォード・レンジャー(2011年)
フォード・レンジャー(2011年)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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