「アメ車」の代表選手 フォードを支えた珠玉の名車 8選 モデルTからエクスプローラーまで

公開 : 2024.01.01 18:05

フォードフィエスタ(1976年)

フィアット127やルノー5など強豪がひしめく欧州Bセグメント市場に、フォードは後発で参入した。同社として初めて横置きエンジンの前輪駆動方式を採用しており、サイズの割に室内が広く、スタイリングも高く評価された。

エンジンは有名な「ケント」を改造した「バレンシア」と呼ばれるもので、当初は957ccと1117cc、その後1.3L、最終的にはXR2(写真)で1.6Lも導入された。フィエスタの功績の1つは、何世代もの若者が人生初のマイカーとして運転を覚え、ブルーオーバルのエンブレムに馴染むきっかけとなったことである。

フォード・フィエスタ(1976年)
フォード・フィエスタ(1976年)

フォード・エクスプローラー(1990年)

初代エクスプローラーは、ピックアップトラックのレンジャー(初代)をベースとするSUVだが、ボディサイズはかなり大柄で、3ドアだけでなく5ドアも用意されていた。プッシュロッド式の4.0LケルンV6エンジンのみを搭載し、後輪駆動と四輪駆動を選べた。1995年にモデルチェンジするまで、ほぼ毎年20万台以上が売れた。

米国の道路でよく見かけるSUVであり、最新の第6世代は2019年にデビューした。また近年、米国の警察車両ではセダン(代表例:クラウン・ビクトリア)からSUVへの移行が進んでおり、その中で数多く採用されているものの1つがエクスプローラーだ。機材の積載能力、室内の広さなどが人気の理由のようである。

フォード・エクスプローラー(1990年)
フォード・エクスプローラー(1990年)

なお、欧州では2024年から同名の電動SUVが発売予定だ。先述のマスタングと同様、サイズやデザインがまったく異なるモデルへの車名の流用だが、現地に根付くことはできるのだろうか。フォードのマーケティング戦略からも目が離せない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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