思わず言葉を失った意外過ぎるクルマ 40選 前編 どうしてこんなコトを…

公開 : 2024.01.02 18:05

・良識ある自動車メーカーが見せた「狂気」とは。
・奇抜なデザイン、常識外れなコンセプト、戦略的なミス……。
・思わず言葉を失う意外なクルマや出来事を40件紹介。

思わず言葉を失った「意外」なクルマ&事件

どんな企業であろうと、リスクはできるだけ避けたいと思うものだ。それはほとんどの自動車メーカーも同じである。しかし、そんな彼らも非常に奇妙なクルマを生産したり、大胆すぎるコンセプトを発明したり、戦略的なミスを犯したりすることがある。

良識的なメーカーがこのような「冒険」をするのは大変面白いものだが、場合によっては取り返しの付かない損失を被ることもある。今回は、傑作から駄作、大事件まで有名な例を年代順に並べてみた。

「どうして?」と多くの人を驚かせたクルマや事件を紹介する。
「どうして?」と多くの人を驚かせたクルマや事件を紹介する。

ロールス・ロイス・トゥエンティ(1922年)

1922年の終わり頃、英国で発刊されていたAUTOCAR誌の読者からのお便りコーナーは、新型ロールス・ロイス20HPについての賛成・反対意見で大いに賑わった。プッシュロッド式のエンジンバルブ、4速ではなく3速のギア、ブレーキは後輪のみという、残念な特徴を持つクルマとして批判を集め、ロールス・ロイスは正気を失ったのではないかと言われる始末。

一方、好意的に捉える読者は、このどれにも問題はなく、20HPをとても気に入っていると答えた。結局のところ、ロールス・ロイスは間違っていなかった。20HPは7年間にわたりよく売れ、1930年代後半まで同様のエントリーモデルが作られた。

ロールス・ロイス・トゥエンティ(1922年)
ロールス・ロイス・トゥエンティ(1922年)

シボレー・カッパークールド(1923年)

このクルマのエンジンは空冷式だが、冷却フィンが銅(カッパー)製だったことからこのような愛称がついた。1923年1月のニューヨーク自動車ショーで発表されたとき、ゼネラルモーターズは10月までに月5万台は売れると期待し、水冷エンジンが時代遅れになるのはいつになるだろうと考えていた。

実際のところ、シボレーは見事に外した。カッパークールドは製造が非常に難しく、信頼性も著しく低かった。工場から出荷されたのはわずか759台で、そのうち239台はすぐにスクラップになった。

シボレー・カッパークールド(1923年)
シボレー・カッパークールド(1923年)

ブガッティ・ロワイヤル(1927年)

すでにレーシングカーやグランドツアラーで名を馳せていたブガッティは、タイプ41(現在ではロワイヤルとして知られる)で高級車市場に乗り出した。市販車としては最大級の12.8Lエンジンを搭載し、車体の長さと価格の両面で贅を尽くした。

しかし、世界恐慌に陥っていた当時、王侯貴族にとっても高すぎることが判明し、わずか半ダースしか生産されなかった。ロワイヤルの12.8Lエンジンは、フランスの列車に搭載され、一般市民を大量に運ぶという本来とはかけ離れた目的に使われた。

ブガッティ・ロワイヤル(1927年)
ブガッティ・ロワイヤル(1927年)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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