中国スマホ大手シャオミ 初の高級セダン「SU7」公開 航続距離800km、ライバルは?
公開 : 2023.12.31 06:05
・スマートフォンで知られるシャオミ(Xiaomi)が同社初の自動車を公開。
・全長4.9m、航続距離800kmの高級EVセダンとして登場。2024年初頭に発売。
・「ポルシェとテスラ」に匹敵するメーカー目指す。
ライバルは「ポルシェとテスラ」
中国のスマートフォン大手シャオミ(Xiaomi、小米)は、同社初の市販車となる「SU7」を正式発表した。高級志向の電動セダンで、2024年前半に中国で発売予定だ。
シャオミは2021年に自動車業界への参入を発表し、それから1003日でのデビューとなる。同社のレイ・ジュンCEOは、今後15年から20年かけて世界の自動車メーカーのトップ5に入ることを目指していると述べた。
「シャオミはポルシェやテスラに対抗し、自動車産業の新時代において夢のあるクルマを創造します」と、レイCEOは具体的な競合他社の名を挙げて意気込みを示した。
新型SU7は、モデナと呼ばれるEV専用プラットフォームをベースとしている。同プラットフォームは、400Vと800Vのバッテリーシステム、およびシングルモーターとデュアルモーターのパワートレインに対応する。
スタイリングは、デザイン責任者であるソーヤー・リー氏の指揮の下、社内で開発された。中国人のソーヤー氏はドイツの自動車メーカーに5年間在籍し、BMW iXやサーキュラー・ビジョン・コンセプトなど近年の新型車に数多く関わっている。
ボディサイズは全長4997mm、全幅1963mm、全高1440mm、ホイールベース3100mmと、ライバルに見据えるポルシェ・テイカンより若干大きい。
大柄ではあるが、流麗なボディラインにより、空気抵抗係数のCd値はわずか0.195と謳われている。また、リアボディ構造は9100トンのダイカストマシンで鋳造されており、構造的にも高いレベルにあるという。
679馬力の高性能モデルも設定
電気モーターはシャオミの自社開発ユニットで、内燃エンジンのピストン配列のようにV6、V6s、V8sと名付けられている。
ベーシックなV6は、400Vバッテリーとの組み合わせで最高出力299ps、最大トルク40.8kg-mを発生する。ミドルグレードのV6sでは、最高出力が374psに向上し、800Vバッテリーに対応する。シャオミによると、いずれも最高回転数は2万1000rpmに達するという。
デュアルモーター仕様では、V6とV6sを組み合わせて合計出力673psを発生し、0-100km/h加速は2.78秒と謳われている。特筆すべき点は、超急速充電のために875Vシステムを備えていることだ。
最上位グレードのV8sは2025年に導入予定で、最大効率98.11%、出力密度10.14kW/kgで、最高出力679psと最大トルク64.7kg-mを発生するという。800Vシステムを備え、モーターの最高回転数は2万7200rpmと言われている。
レイCEOは、新しい自社開発モーターの試作機がテストで最高3万5000rpmを達成したと述べ、さらなる高性能EVの登場を示唆した。