「現実なのか」って思うほど素晴らしい時間 アルファ・ロメオ1900でミッレミリアを走ってみた2人(2)
公開 : 2024.01.14 17:46
約100台の出場車が事故や故障でリタイア
1900は、クラシックカーとして優れていることもわかったという。ルーフが備わり、暑い日差しから逃れられる。窓を開けば、風通しも良かった。「とても快適でした。クロス張りのシートも、通気性が良く暑い日には効果的でしたね」
シングルキャブレターでも、遅くはなかった。「スルスルとスピードが上昇します。フェラーリで出場していた人も、速さに驚いていたようです」。シェリダンが続ける。ブレーキも、僅かに右が強く効いていたものの、調子は良かったそうだ。
3日目はローマから北上し、パルマへ。シエナでのランチが素晴らしかったと、2人は回想する。
交通量の少ない田園地帯では、カーブが連続する走りがいのある道が続いていた。速いクルマが、危険な追い越しをかけてくる場面も多かったらしいが。実際、2023年のミッレミリアでは、約100台の出場車が事故や故障でリタイアしている。
金曜日にミラノへ戻り、ストラダーラ、パヴィアを経由し、北西部のアレッサンドリアへ。土曜日はスタート地点のブレシアへ戻りゴール。初出場ながら、2人は完走を果たした354台中の314位を掴んだ。
「これまで地図もろくに読んだことがなかったので、完走だけでも偉業です」。とマークが自らを称える。「初参加でも、徹底的に楽しめました。これ以上の経験は、もう得られないかもしれませんね」。とシェリダンも満足気だ。
一生に1度のイベント 法外な金額とはいえない
ミッレミリアを走るには、最低でも1万6000ポンド(約296万円)のエントリー料が必要になる。2人の参加が、気軽なものではなかったことは間違いない。だが、一生に1度のイベントとして、法外な金額ともいえないだろう。
多くの参加者は、数10万ポンド(数1000万円)のクラシックカーを飛行機で運んでくる。プライベートジェットに乗って、ブレシアへやってくるドライバーも少なくない。
それに対し、グレートブリテン島からイタリア半島の付け根まで、シェリダンとマークは2日をかけて自走で向かった。アルファ・ロメオ1900が載ったトレーラーを引っ張ったのは、高級SUVのマセラティ・レヴァンテだったけれど。
協力:1000ミリア
アルファ・ロメオ1900 スーパー(1950〜1959年/欧州仕様)のスペック
英国価格:1300ポンド(新車時)
生産数:1万7390台
全長:4419mm
全幅:1600mm
全高:1473mm
最高速度:164km/h
0-97km/h加速:17.1秒(予想)
燃費:6.4-8.9km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1169kg
パワートレイン:直列4気筒1975cc 自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:94ps/5400rpm
最大トルク:13.2kg-m/3000rpm
トランスミッション:4速マニュアル(後輪駆動)