能力の半分程度が好印象 フォード・カプリで1週間 旧車は「本当の日常の足」になる?(2) 

公開 : 2024.01.06 09:46

日常を豊かにしてくれる47年落ちのカプリ

かくして、47年落ちのフォード・カプリ Mk2を、日常的な移動手段にできるのかという疑問への答えは、ほぼイエス。1週間を共にしたが、雨が降る都市部でも、筆者は特に困ることはなかった。

英国の場合、カプリならスペアパーツがふんだんに流通している。ボディのサビも、最新のコーティング技術などを施せば、しっかり防げる。間違いなく、カプリは2024年においても所有する価値のあるクルマだといえる。

フォード・カプリ 1.6Lと英国編集長のスティーブ・クロプリー
フォード・カプリ 1.6Lと英国編集長のスティーブ・クロプリー

クラシックなスーパーカーも望ましいが、こちらの方が当時を懐かしんでくれる人も多い。しかも、クラシックカーの中では価格もお手頃。状態の良い例でも2万ポンド(約370万円)ほど。レストアが必要なら、1万ポンド(約185万円)も準備すれば充分だ。

動的能力では、現代の小さなハッチバックにも及ばないはず。ブレーキやステアリング、姿勢制御という点では、ルノールーテシアトヨタヤリスの方が遥かに優れている。運転もより楽しめるかもしれない。

とはいえ、カプリも日常を豊かにしてくれる。維持しやすく、駐車場では好意的に眺めてもらえる。実用的で信頼性は高く、現実的なクラシックカーとしての役目をしっかり果たせる。見た目のインパクトも強い。フォードらしく、今でも誠実なクーペだ。

フォード・カプリ 1.6L(Mk2/1974〜1978年/英国仕様)のスペック

英国価格:1750ポンド(新車時)/2万ポンド(約370万円)以下(現在)
全長:4240-4313mm
全幅:1698mm
全高:1357mm
最高速度:167km/h
0-100km/h加速:14.4秒
燃費:12.2km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1010kg
パワートレイン:直列4気筒1593cc 自然吸気OHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:73ps/5300rpm
最大トルク:11.8kg-m/2700rpm
ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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