晴れた日が待ち遠しい トライアンフTR6 楽しく現実的な英製クラシック UK中古車ガイド

公開 : 2024.01.10 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は

確かに指摘するべき弱点はあるものの、トライアンフTR6は、現時点で最も運転を楽しめるモデルだといえる。動力性能は充分以上で、これより速さを求めるなら、少なくとも数100ポンドの追加予算が必要。価格面での競争力は高い。(1969年4月17日)

トライアンフTR6(1969〜1976年/英国仕様)
トライアンフTR6(1969〜1976年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

ジュリアン・ヒル氏

「グランドツアーでおなじみのジェームズ・メイさんは、TR6を最も男っぽいクルマだと表現していましたが、これ以上にピッタリの言葉はないかもしれません。特に2.5L直列6気筒エンジンのフィーリングは最高です」

トライアンフTR6(1969〜1976年/英国仕様)
トライアンフTR6(1969〜1976年/英国仕様)

「アクセルペダルを蹴飛ばせば、テールを沈めながら、豊かなトルクで加速していきます。重厚な響きも笑顔を生みます。ドライビングポジションは低く、路面へ座っているよう。車内は広く、身長の高い大人でも問題ありません」

「私のTR6は1973年式。最高出力は126psですが、運転するたびにニヤけてしまう楽しさです。エンジンは一発始動。ツインパイプのマフラーを組んで、深いエンジンの唸りを強調させています」

「購入後の不具合は、ブレーキのマスターシリンダーからのフルード漏れと、ルーカス社製燃料ポンプの故障。ボッシュ社製のアイテムへアップグレードしました。これ以上に運転へ魅了される、コスパに優れたクラシックカーは思い浮かびません」

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

カーペット下側のフロア、シートの後方、フロント・クォーターパネルなどが錆びやすい。ボディの塗装に、腐食でできた気泡のような膨らみがないか観察する。

リア・サスペンションとディファレンシャルが固定されている、フレーム部分も弱点。エンジンルーム内も、フルードなどの影響で塗装が剥がれ、サビが進行する場合がある。プロによる再塗装が施されている車両は、補修を受けている可能性も高い。

エンジン

トライアンフTR6(1969〜1976年/英国仕様)
トライアンフTR6(1969〜1976年/英国仕様)

オーバーヒートは一般的な弱点。冷却系統の状態が健全か確認したい。エンジン自体は耐久性が高いものの、クランクシャフトのスラストワッシャーが壊れやすい。定期的にメンテナンスされているかも確認したい。

北米仕様の場合は、キャブレターの調子へ気を配りたい。アイドリングは850rpmで安定しているのが正常。滑らかに回り、数分間アイドリングを続けても不安定にならないか確かめたい。

トランスミッション

手荒な変速を繰り返すと、トランスミッションへダメージを与える。初期型では、オーバードライブが不調になりがち。

電気系統

構造は比較的シンプル。だが、ワイヤーハーネスの摩耗などで不具合を招く。

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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