トヨタが育てた「欧州車」 3代目アベンシス 英国でも定評の信頼性 UK中古車ガイド
公開 : 2024.01.11 19:05 更新 : 2024.01.12 07:47
新車時代のAUTOCARの評価は
先代同様、3代目アベンシスは設計に優れ、製造品質の高い、有能な実用モデルだ。クラストップに並ぶ動力性能と、良好な燃費を兼ね備えるという、簡単ではない両立を実現させている。トヨタが投じた技術力の高さを裏付ける。(2012年4月2日)
オーナーの意見を聞いてみる
トニー・ベイカー氏
「トヨタを買う理由は、優れた信頼性と装備を信じているから。私のアベンシスは、ステーションワゴンで2.0Lのディーゼルターボ。2018年式で、現在の走行距離は13万6000kmくらいです」
「やはり信頼性は高く、燃費は良いですね。ただし、輸入車扱いなのか保険料は安くないようです。日本のブランドだとしても、英国の生産なのに」
購入時に気をつけたいポイント
ボディ
ボディサイズは大きめ。バンパーの角などに擦り傷がないか、丁寧に観察したい。
エンジン
信頼性の高さに甘えて、基本的なメンテナンスをおろそかにするユーザーは存在する。これまでの整備記録は、しっかり確かめたい。
初期の2.2Lディーゼルターボは、パティキュレートフィルターの不調が原因で、燃料過多やピストンリングの不具合を招くことがある。
ガソリンエンジンはトルクが細く、高い回転域まで常用されがち。エンジンオイルの管理状態と、動作時に異音ないか確かめたい。
トランスミッション
MTではクラッチの滑りや、変速時に不自然なフィーリングがないか確かめる。CVTは、滑らかに加速するか確かめる。基本的に、不具合は殆ど生じないようだが。
サスペンションとブレーキ
サスペンションは、ブッシュ類などの摩耗が考えられる。
サイドブレーキは電子制御で、正常に動くか確認する。アクチュエータが不調になる場合があり、修理費用は高く付く。フロントブレーキのキャリパーが、ガタつく場合もあるようだ。
インテリア
フロントドアの開く角度を制限するストラップが、ドアフレームに亀裂を入れてしまう場合がある。車載装備がすべて正常に動くか、確認は忘れずに。
知っておくべきこと
アベンシスは信頼性が高いがゆえに、中古車の走行距離も長い例が少なくない。執筆時の英国では225台が売りに出ていたが、24万km以上走った車両が20台も含まれていた。中には、LPG仕様に改造された例もある。
ただし、見逃せない不具合も報告されている。アクセルペダルの不調やリア・サスペンション・アームの破損、サンルーフ・ガラスの脱落、ターボチャージャーの排気側ボルトの締め付け不良、サイドエアバッグの故障といったリコールが、英国では出ている。