トヨタが育てた「欧州車」 3代目アベンシス 英国でも定評の信頼性 UK中古車ガイド

公開 : 2024.01.11 19:05  更新 : 2024.01.12 07:47

新車時代のAUTOCARの評価は

先代同様、3代目アベンシスは設計に優れ、製造品質の高い、有能な実用モデルだ。クラストップに並ぶ動力性能と、良好な燃費を兼ね備えるという、簡単ではない両立を実現させている。トヨタが投じた技術力の高さを裏付ける。(2012年4月2日)

トヨタ・アベンシス(3代目/2009〜2018年/英国仕様)
トヨタ・アベンシス(3代目/2009〜2018年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

トニー・ベイカー氏

「トヨタを買う理由は、優れた信頼性と装備を信じているから。私のアベンシスは、ステーションワゴンで2.0Lのディーゼルターボ。2018年式で、現在の走行距離は13万6000kmくらいです」

トヨタ・アベンシス・ツーリングスポーツ(3代目/2009〜2018年/英国仕様)
トヨタ・アベンシス・ツーリングスポーツ(3代目/2009〜2018年/英国仕様)

「やはり信頼性は高く、燃費は良いですね。ただし、輸入車扱いなのか保険料は安くないようです。日本のブランドだとしても、英国の生産なのに」

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

ボディサイズは大きめ。バンパーの角などに擦り傷がないか、丁寧に観察したい。

エンジン

信頼性の高さに甘えて、基本的なメンテナンスをおろそかにするユーザーは存在する。これまでの整備記録は、しっかり確かめたい。

トヨタ・アベンシス・ツーリングスポーツ(3代目/2009〜2018年/英国仕様)
トヨタ・アベンシス・ツーリングスポーツ(3代目/2009〜2018年/英国仕様)

初期の2.2Lディーゼルターボは、パティキュレートフィルターの不調が原因で、燃料過多やピストンリングの不具合を招くことがある。

ガソリンエンジンはトルクが細く、高い回転域まで常用されがち。エンジンオイルの管理状態と、動作時に異音ないか確かめたい。

トランスミッション

MTではクラッチの滑りや、変速時に不自然なフィーリングがないか確かめる。CVTは、滑らかに加速するか確かめる。基本的に、不具合は殆ど生じないようだが。

サスペンションとブレーキ

サスペンションは、ブッシュ類などの摩耗が考えられる。

サイドブレーキは電子制御で、正常に動くか確認する。アクチュエータが不調になる場合があり、修理費用は高く付く。フロントブレーキのキャリパーが、ガタつく場合もあるようだ。

インテリア

フロントドアの開く角度を制限するストラップが、ドアフレームに亀裂を入れてしまう場合がある。車載装備がすべて正常に動くか、確認は忘れずに。

知っておくべきこと

アベンシスは信頼性が高いがゆえに、中古車の走行距離も長い例が少なくない。執筆時の英国では225台が売りに出ていたが、24万km以上走った車両が20台も含まれていた。中には、LPG仕様に改造された例もある。

ただし、見逃せない不具合も報告されている。アクセルペダルの不調やリア・サスペンション・アームの破損、サンルーフ・ガラスの脱落、ターボチャージャーの排気側ボルトの締め付け不良、サイドエアバッグの故障といったリコールが、英国では出ている。

トヨタ・アベンシス(3代目/2009〜2018年/英国仕様)
トヨタ・アベンシス(3代目/2009〜2018年/英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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