「過走行」を乗切る耐久性 30万km超のタクシーも メルセデス・ベンツEクラス(W212型) UK中古車ガイド
公開 : 2024.01.13 19:05
欧州のタクシーで定番の1台、Eクラス 高い製造品質で耐久性は抜群 ステーションワゴンは望ましいファミリーカーに 英編集部が魅力を再確認
もくじ
ー走行30万km以上のタクシーも 耐久性は抜群
ー歴代で最も規模の大きいフェイスリフト
ー新車時代のAUTOCARの評価は
ーオーナーの意見を聞いてみる
ー購入時に気をつけたいポイント
ー知っておくべきこと
ー英国ではいくら払うべき?
走行30万km以上のタクシーも 耐久性は抜群
欧州を訪れたことがあるなら、空港からの移動手段として4代目メルセデス・ベンツEクラス、W212型のタクシーへ乗った経験をお持ちの方も多いのでは。恐らく、ゆとりのある車内と、高い品質や洗練性に感心されたことだろう。
タクシーのEクラスは、30万km以上走り込まれる例も珍しくなく、耐久性は抜群。いつか自分のクルマにしたいと考えてきたのなら、今がチャンスかもしれない。
現在の英国の中古車市場を調べてみると、2016年式のE 220 AMGナイトエディションが、約1万4000ポンド(約259万円)で売りに出ている。走行距離は11万2000kmで、まだまだ実用に堪えるはず。
使い勝手の良いステーションワゴンも、1000ポンド(約19万円)ほど上乗せすれば選べる。1950Lの荷室を備え、セルフレベリング機能付きのリアサスが組まれる。ほかにクーペやコンバーチブルも存在するが、それは次回にしておこう。
英国の場合、W212型は殆どがディーゼルエンジンで、ガソリンとの割合は13:1と圧倒的。サルーンとステーションワゴンの比率は3:1で、サルーンの方が多い。
ディーゼルエンジンの中心となるのが、2.1L 4気筒ターボのCDI。E 200やE 220より、204psを発揮するE 250の方が力強く、現実的な燃費も伸ばしやすい。
英国には、ハイブリッドのE 300dhも存在する。同じ2.1Lディーゼルのハイブリッドで、25.0km/Lの燃費も夢ではない。3.0L V6ディーゼルのE 350 CDIは間違いなく速いが、そのぶん多くの軽油を燃やす。
歴代で最も規模の大きいフェイスリフト
ガソリンでは、203psの1.8L 4気筒ターボのE250 CGIから。英国編集部としては、ゆとりある292psの3.5L V6エンジンを搭載した、350 CGIへ注目したい。0-100km/h加速6.8秒と速く、10.5km/L程度の燃費を得られる。
プラグインハイブリッドの、E 350eもラインナップされていた。パワー重視なら、AMG E 63がある。エンジンは当初6.2L V8だったが、後期型では5.5Lへ置き換わっている。ただし、まだかなり高額だ。
2013年にW212型はフェイスリフトを受けているが、内容はかなり大々的。Eクラスとして、歴代で最も規模が大きい小変更だと主張され、費やされた10億ポンドの予算はモデルチェンジに要する金額へ匹敵した。
2分割だったヘッドライトは一体になり、フロントグリルのデザインも一新。インテリアも大幅に変更されている。エンジンやサスペンションなども改良を受け、Sクラスに準じる運転システムを獲得し、安全性も大幅に高められた。
基本的にシャシーは快適性重視。だが、スポーティな仕様も選べた。後期型では、サスペンションのモードを切り替えられる。
同時期の、BMW 5シリーズやアウディA6の実力も高い。それでも、4代目Eクラスの快適性や耐久性は間違いなくストロングポイント。手入れの行き届いたステーションワゴンなら特に、日常へすんなり溶け込む、望ましいファミリーカーになるはず。