「過走行」を乗切る耐久性 30万km超のタクシーも メルセデス・ベンツEクラス(W212型) UK中古車ガイド

公開 : 2024.01.13 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は

スチールコイル・サスペンションのEクラスでも、乗り心地は非常に滑らか。適度にソフトで、しっかり姿勢を制御する。路面の凹凸を平滑にいなしつつ、長い周期のうねりでボディが揺さぶられることはない。

ステーションワゴンは、セルフレベリング機能付きのエアサスペンションが標準。乗り心地は一層優れる。(2013年11月19日)

メルセデス・ベンツEクラス(W212型/2009〜2016年/英国仕様)
メルセデス・ベンツEクラス(W212型/2009〜2016年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

アレックス・ザコビッチ氏

「2010年式のE 250 CDI アヴァンギャルドに乗っています。走行距離は36万kmを超えました。2番目のオーナーですが、私が乗り始めてからは2万4000kmほど増やしました。運転していると、そんな走行距離をまったく感じさせません。新車のようですよ」

メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴン(S212型/2009〜2016年/英国仕様)
メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴン(S212型/2009〜2016年/英国仕様)

「最初のオーナーが、正規ディーラーで点検整備を受けてきたおかげでしょう。私も、メルセデス・ベンツを得意とするショップへお願いしています」

「リアはエアサスペンションなので、とても快適。燃費は市街地で13.5km/L程度です。高速道路では17.5km/Lくらいまで伸びます」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

タイミングチェーンはコマ飛びする場合がある。エンジンが温まった状態で、ガラガラと異音がしないか確認したい。220 CDIと250 CDIでは、デルファイ社製の燃料インジェクターに不調が生じやすい。ラジエーター・クーラントの漏れにも注意。

荷室にバッテリーが積まれている。その状態も確かめる。

ボディとシャシー

メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴン(S212型/2009〜2016年/英国仕様)
メルセデス・ベンツEクラス・ステーションワゴン(S212型/2009〜2016年/英国仕様)

2009年から2015年式では、フロントガラスへヒビが生じやすいという報告がある。リアのサブフレーム、アクスル、ホイールナットなどのサビ具合を確かめる。

トランスミッション

ATは、3年毎か8万km毎でのフルード交換が必要。すべての速度で滑らかに変速できるか確認したい。

サスペンションとブレーキ

サスペンションのモードが、すべて機能するか試してみる。ステーションワゴンの場合は、セルフレベリング機能の動作も。エアサス自体や、レベルセンサーのリンクに不具合が起きる場合がある。

フロントのブレーキディスクは、約2万kmで交換が必要になることも。一流ブランドのタイヤを履いているクルマは、これまでしっかりお金が費やされてきたと考えて良い。

インテリア

インフォテインメント・システムの動作を確かめる。製造品質が高く、インテリアは走行距離を感じさせない場合が多いため、改ざんされていないか調べたい。メーターパネルの警告灯や、エアコンの冷風も確認する。

ステーションワゴンの場合は、荷室の内装に傷が付きがち。天井の内張りにも。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事