F1、WRC、ル・マン… 怒涛の2023年を振り返る モータースポーツ特集
公開 : 2024.01.05 18:25
・2023年のモータースポーツの話題を振り返る。
・レッドブルF1の強さ、WRCでのロバンペラの成長、BTCCの若きスター選手。
・インディ500のドライバーの移籍騒動、WECではBoP規定を巡る論争が続く。
モータースポーツの話題を振り返る
2023年のモータースポーツ界隈はこれまでになくアクション満載で、1年があっという間に過ぎてしまった。
ブラジルからブランズハッチまで、F1、世界ラリー選手権、そしてツーリングカー選手権の挑戦者たちが、多くのサプライズを交えながら、今年をトップで締めくくるために戦った。
というわけで、前置きはこれくらいにして、さっそく2023年のモータースポーツ・カレンダーを振り返っていこう。
フォーミュラ1
F1ワールドチャンピオン:マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) – 尊大で短気、しかし誰にも止められない
マックス・フェルスタッペンとレッドブル・レーシングの圧倒的な強さを見れば、昨シーズンのF1も退屈に思えるかもしれないが、そう決めつけるのは良くない。
オランダ人ドライバーが容赦なくシーズン10連勝という新記録を樹立する一方で、F1の誇大広告を裏付けるのに十分な戦いが各レースで展開された。ラスベガスGPの華やかさに勝るものはないだろう。
フェルスタッペンがあまりにあっさりと3年連続の世界チャンピオンに輝いたように、その後方を行くドライバーたちの予測不可能な揺れから最高の物語が生まれた。フェルスタッペンの後方では、しばしば予想が無駄になることがあった。
序盤はセルジオ・ペレスがチームメイトに肉薄し、いや、上回って2勝を挙げた。しかし、このメキシコ人ドライバーによる挑戦は幻に終わり、その後、ホンダエンジン搭載のRB19(史上最高のF1マシンの1つに数えられる)をドライブしながら凡庸なスパイラルに陥った。
フェルスタッペンとのパートナーシップは報われない仕事だが、それでもペレスは、そのシートにふさわしくないことを証明してしまった。レッドブルの後方を走るアストン マーティンは、42歳にして開幕から8戦で6回の表彰台を獲得した常勝ドライバーのフェルナンド・アロンソの活躍により、期待以上のスタートを切った。
しかし、アロンソとランス・ストロール(父親がチームを所有しているためF1にとどまっているのは間違いない)が中団に後退したため、チームは晩夏に低迷。メルセデスAMGもフェラーリもレッドブルに対抗する鍵を見つけることができなかった。しかし、エイドリアン・ニューウェイ率いる精鋭エンジニアらが来季の準備に目を向ける中、両チームとも重要な瞬間を迎えている。
カルロス・サインツJr.はシンガポールで見事な勝利を収め、レッドブルの連続優勝に終止符を打った。一方、ルイス・ハミルトンは引退説を払拭し、チームが力を取り戻しさえすれば8度目の世界タイトルを獲得できることを示した。
38歳のハミルトンは、カタールのターン1での接触に責任があるとはいえ、チームメイトのジョージ・ラッセルを総合的に上回った。しかし、今シーズンで最も驚き、印象的だったのはマクラーレンだ。テクニカルディレクターのジェームス・キーがザウバー・アルファ・ロメオに移籍したことで、そのツケが回ってきたのだ。
しかし、新チーム代表のアンドレア・ステラの堅実な指揮の下、マクラーレンはオーストリアGPで導入された大幅な空力アップグレードによって、シーズン半ばにラザロのような復活劇を見せた。
英国GPでフェルスタッペンをリードしたランド・ノリスと優秀なルーキー、オスカー・ピアストリは、単なる一発屋ではなかった。ノリスは終始「Aリスト」としての実力を発揮し、ピアストリはカタールのスプリントレースで勝利を収めた。マクラーレンはアストン マーティンを抜き去り、4位に返り咲いた。