F1、WRC、ル・マン… 怒涛の2023年を振り返る モータースポーツ特集

公開 : 2024.01.05 18:25

インディカー

チャンピオン:アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング) – インディカーでの偉業への道を歩むが、コロコロ変わる契約が汚点となった。

彼のキャリア管理はちょっとした事故のようなものだが、アレックス・パロウが米国のシングルシーターレースの指標的存在であることに疑いの余地はない。スペイン人のパロウは、3年ぶり2度目のインディカー王座獲得に向けて5勝を挙げた。

アレックス・パロウの移籍騒動は、彼の信頼に傷を残すだろう。
アレックス・パロウの移籍騒動は、彼の信頼に傷を残すだろう。

2年連続で将来の契約をめぐる醜い綱引きに悩まされたにもかかわらず、偉業を成し遂げた。前シーズン、パロウはチップ・ガナッシ・レーシングを離れてマクラーレンに移籍しようとしたが、結局グリッド上でチームと不穏な提携関係を続けることになった。

そして今回、F1を見据えたマクラーレン移籍に合意したパロウだが、またもや翻意し、現状維持を選択した。将来のインディカーの展望を考えれば賢明だが、契約交渉人としての評判を考えればそうではない。

世界耐久選手権

世界チャンピオン:セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮 – トヨタ・ガズー・レーシング

スタードライバー:アレッサンドロ・ピエール・グイディ – フェラーリのル・マン優勝を支え、AFコルセのGT卒業生への信頼を獲得。

ル・マンで優勝を飾ったフェラーリだが、シーズン後半は不調に陥った。
ル・マンで優勝を飾ったフェラーリだが、シーズン後半は不調に陥った。

ル・マン24時間を制するか、それとも世界チャンピオンを獲得するか?トヨタにとっても、WECのどのメーカーにとっても、その答えは簡単で明白だ。

世界最大の耐久レースであるル・マン24時間レースの100回記念大会は、2023年のモータースポーツの目玉となった。よく練られたハイパーカー規定のおかげで、各メーカーがル・マンに戻ってきたのだ。

スリリングな時代だ。フェラーリ対トヨタのバトルは、24時間レースのほぼ全行程で繰り広げられ、誇大広告を裏打ちするものだった。

政治がフェラーリに優位性を手渡したようにも見えたが、レースを規定するバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)にはどのチームも振り回された。

フェラーリは50年間遠ざかっていたル・マンにフルファクトリーで復帰し、1965年以来10回目の優勝を飾った。この勝利は、間違いなく新型499Pとジェームス・カラドをはじめとするドライバーが苦労して勝ち取ったものである。

しかし、BoP問題が影を落とし、ル・マン後のさらなる調整でWECの残りのシーズン、赤いマシンの本領は封じられた。チームは声を上げることができないが、ハイパーカーを取り巻く期待を損ないかねないか心配である。

ペンスキーが運営するポルシェの新型963は、WECでは脇役に甘んじ、ジョーは先鋭的な9×8からパフォーマンスを引き出すのに苦労し続けた。キャデラックは本国から離れて果敢に戦い、両者を圧倒した。ジム・グリッケンハウスは、自力で資金調達する気骨のあるプライベーターとして最高かつ真のスピリットを発揮した後、胸を張って退場し、大手メーカーに道を譲った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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