スペシャルショップ

MT-DRACO(エムティ・ドラコ)

神奈川県小田原市成田50-21
営業時間 10:00〜20:00
定休日 月曜日
TEL : 080-6689-9950
http://blog.goo.ne.jp/mt-draco E-mail : [email protected]

一人のクルマ趣味人の生き様を体現した
妥協なきパーツのプライベートブランド。

コアな好事家から支持されている『MT-DRACO』は店舗を持たず接触手段はブログからのみという、謎のチューニングブランド。今回はそのデモカー、FIAT 500Sツインエアに試乗してみたのだが・・・

「フフッ・・・」そのフィアット500Sツインエアを走らせていると、自然とニヤついていた。実は筆者は現行の500シリーズのヒョコヒョコ跳ねる足廻りや、不自然な感触のブレーキなど、走りの面で良い印象がなかった。しかし、『MT-DRACO』のデモカーときたら! うねりや段差での“ダンっ”という衝撃のカドは絶妙に丸められ、サスペンションは路面に吸い付くように滑らかに動いている。ドッドッと低音が効いた2気筒エンジンは、踏めば乾いた音を奏でて軽やかに吹け上がっていく。ブレーキは安心して踏めるガッチリ感に溢れ、踏力だけで制動力を自在にコントロールできる。停止寸前の“カックン”もない。質感も乗りやすさもノーマルとは別次元なのだ。何やったらこーなるの?

クルマを降りてみる。車高とタイヤ/ホイールのバランスが絶妙で、普通の500らしからぬハンサムさんだ。下廻りをのぞき込むと、超軽量な鍛造ホイールの奥にはこれまた鍛造削り出しの4potキャリパーが微笑んでいた。さらにその奥には倒立モノチューブ・減衰20段調整のフルタップ車高調が潜んでいる。インテークやエキゾーストは性能はもちろん、ステーの造作や溶接などのディテールまで隙なく美しい。派手ではないが、仕立ての良いMT-DRACOオリジナルのパーツたちがこの500に凛とした野武士のような風格を漂わせていた。

MT-DRACOをプロデュースする高田 実さんは、かつてアパレルからクルマ業界に転身したという経歴を持つ。その後、チューニング/レーシングパーツの老舗、HKSで長年に渡って企画開発を担ってきた。しかし、同社でミニやアルファ用のマフラーなどを手掛ける内に、マスプロダクトではなく『自分が欲しいと思える』パーツづくりに魅力を感じた高田さんは、小回りの効く体制を求めて独立、MT-DRACOを設立した。同ブランドは名だたる一流メーカーやスペシャルショップ、職人たちをパートナーとしながらも、単なるOEMではなくコストを度返しした研究開発を重ねて、性能、質感、センスのあらゆる点で標準の製品よりも先鋭化したスペシャルなパーツを生み出してきた。そのために自ら開発用車両を購入し、ひたすらに試走とセッティングを繰り返しているという。

そうして生み出した逸品ながら、この世界観を共有できるヒトだけに付けて欲しいというコンセプトゆえに店舗は持たず、その情報発信はブログのみというMT-DRACO。しかしながら高田さんに接触を試み、デモカーに試乗し、クルマ談義に盛り上がった後、帰り道で愛車との違いに愕然となり、「お願いします」となってしまうのだ。

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