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続・カーボンクリーニングをしたシリンダヘッドを開けてみると・・・

前回(https://www.autocar.jp/specialshop/2013/05/31/37655/)の続きとなります。カーボンクリーニング作業を終えたプジョー106s16のシリンダヘッドを開け、カーボンがどの様に変化したかを見ていきます。

前回はエンジン腰下側のカーボンの様子をお届けしましたが、今回はシリンダヘッド側となります。こちらも、ブロック側に同じくカーボンが明らかに軟化しています。同じようにウエスで拭ってみると・・・これまた、カリカリやらずにここまで綺麗になりました。

バルブ類の状態をチェックします。さすがにエキゾーストバルブはカーボンがこびりついています。インテークバルブは非常に綺麗でした。

これはハイドロリックバルブリフタです。この部品が、カムシャフトに押され、各バルブの開閉を行っています。側面に開いた小さな穴は、オイル通路です。ここにオイルが入り、油圧によりバルブクリアランスが常に適正に保たれるという仕組みです。オイル管理が悪いと、オイルの出入りが妨げられ異音の発生や、不調を誘発します。

全ての部品を分解し、特殊洗剤と、高圧洗浄によりパーツはここまで綺麗にする事が可能です。この後、シリンダヘッドは各部機械加工のため、ボーリング屋さんへと旅立ちます。

ここまで、読んで頂いた方で気になる点が出てきた方いませんか? ヘッドのオーバーホールするんだったら、カーボンクリーンやらずに、そのまま分解すれば? ですよね。

お答えしましょう。今回の106s16は、オイル漏れ修理の為にシリンダヘッドを分解し、ついでにオーバーホールを行う事にしました。ヘッド(腰上)がきっちりと組みあがると、過走行の車輌の場合、確実にブロック(腰下)に負担が掛かるようになります。バルブの密閉が実現し、圧縮が保たれるからです。

そこに、今回は手をつけない腰下周りに存在する重要部品 ピストン及びピストンリングにカチカチのカーボンが固着しているとなると、リングに掛かる負担はこれまで以上のものになります。

分解前に行ったカーボンクリーニングには、ピストンリング周囲のカーボンも軟化させる効果があるのです。それにより、ピストンリングの収縮の動きがスムーズになり、元気になった腰上を組み合わせても過大な負荷が及ぶ事を防ぎます。

一口にカーボンクリーニングと言っても、考え方・施工する側の発想の転換次第ではその作業に求める内容も変わってくるのですね。定期的なカーボンクリーニング これを心がけていきましょう。

余談ですが、ピストントップ周囲を潤滑する最も効果的な方法・・・それはSessA PowerLube+を定期的に注入する事です。この製品は、出力向上を目指した商品と思いきや、ブレンドされた成分には潤滑効果の望める素材も入っています。ですから、インジェクタノズルから燃料と共に噴射する事で、本来は潤滑不可能な燃焼室内部の潤滑を促進する効果もあるのです。そして、洗浄効果、完全燃焼 あらゆる要素が重なり出力向上となるわけです。

ラテン車の整備・維持に関する事は何でもご相談下さい!

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