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合理的だが未完成

ガレージ ポモナの木下です。

今日は右ハンドルのスポルトマチックでヤナセ物という、とても珍しいビートルがやってきてくれました。VWとポルシェ。実用セダンとスポーツカーという違いはありながらも、共にポルシェ博士の手によるリアエンジン車ですが、こうして見比べると共通点も違いも見えてきます。

例えばイグニッションコイルの位置。ビートルは雨が降ると濡れてしまうような位置についていますが、ポルシェだとうまく雨水を避けるような配置になっています。ビートルのエンジン自体は基本的にタフなのですが、補器類や配線コード類が高温多湿な日本の風土には合っていなくて、弱いところが見受けられますね。

しかし、ボディの強度を出すためのルーフの丸さやドアノブの形状などを見ると基本的に同じ思想で作られていることがよくわかります。ただ、設計された年代そして大衆車と高級スポーツカーとのコスト面での違いを感じさせられるのもまた事実です。ドイツ人的な合理性に溢れていますが未完成なところもある。だからといってそれがビートルの魅力をいささいかも削ぐものにはならないのですが。