FNマシンは再びレーストラックを目指す?
emrockの岩坂です。
ここまでカウルが付いていないと何かわからないですが、じつはコレ、フォーミュラ・ニッポンで使われていたマシンでレイナード96D。その名の通りFポンの初年度となった1996年から数年にわたって使用されていたマシンです。その後お役ご免となったこのマシンはエンジンレスの状態で放出され、個人のガレージで眠っていたようです。
そのときの保存環境が良くなかったのか、当社に運び込まれたときはサビだらけになっていた96D。これをリペアして欲しいというご依頼で作業を始めましたが、これが正にサビとの戦いでした。鉄がサビていたのはもちろん、アルミもマグネシウムも真っ白に粉を噴いていました。それらをすべて除去し、アームやフレームは塗装、アルミパーツはサンドブラストの後アルマイトで仕上げ直しました。
そして大変だったのがカーボンモノコックとカウル類。旧くなって劣化したカッティングシートやこの頃から普及しだしたガードテープの除去が大変でした。その後、鈑金屋さんで真っ白に塗装をおこなったのですが、レースカーのカーボンパーツは表面に繊維の目が出ていて表面がザラザラ、凸凹しています。その上に塗装するのですが、軽く仕上げるために塗膜はできるだけ薄くする必要があるので、乗用車のようにポッテリと塗れないのです。だから慣れないヒトが塗ると剥がれてくるそうです。
さて、この後実際に走れる状態まで持って行くとなると、エンジンもないし、ギアボックスもブレーキもすべてやり直す必要がありますし・・・ということでかなり大変だとは思いますが、海外ではこのような旧いフォーミュラでのレースやヒルクライムマシンとしての需要があるとのことですので、いつの日かコイツがまたレーストラックを走る日が来るのかも知れませんね。