黒いビルシュタインの実力やいかに!?
レッドポイントの赤座です。
ビルシュタインというと黄色いスポーツショックのイメージが強烈だとは思いますが、今回はそれではなく、「B4プログラム」とよばれる純正補修用ラインの製品です。見た目も真っ黒でまさに「純正相当品」な雰囲気。「いくらビルとはいえ、補修用とか安かろうなんじゃないの?」と思われるでしょ? さて、その実力やいかに? さて、実際に並べてみるとストロークは純正と同じですね。ですので、基本的にはノーマルのバネとの組み合わせが前提のようです。
装着してみても大人好みなさりげない雰囲気です。つづいてSDLテストによる粘着率の変化を見てみますと・・・乗る前にわかってしまうこの違い! 特にリアの落ち着きはすごそうですね。FIAT500のリヤサスペンションは、どうにも暴れがちで落ち着きの無いセッティングが否めません。そればかりは、ショックアブソーバを交換しなければ改善できない内容なんですね。
そして、4輪トータルアライメントの結果はどうなったのでしょうか。組み付け後、フロントのトー値が大きく変化しましたね。図の赤色表示されている部分がそれです。ダウンサスを組んで、車高が下がったならトーが変わるのは当然です。しかし、なぜノーマル車高なのにこの様な結果になるのでしょう?
答えは、キャンバー角が変化したのですね。ノーマル形状でありながら、ストラット固定部の穴の位置関係が純正とは異なっているのでしょう。左右均等に、マイナス側へキャンバー角が増えていますので、ビルシュタインの狙いでしょうか? 以前のデータと比較すると、30′程マイナス方向へ増えました。キャンバー角度が変わると、それと合わせてトーの値も変化します。つまり、ノーマル形状だからと思い込み、ショック交換のみで完了してしまうといけませんよという意味です。きっちりとアライメントで数値を診断し、最適化しましょう!
肝心な乗り味は、ビルシュタインの良さを感じつつも、硬くは無い。それでいて、純正の頼りない接地感を拭い取ったかの様な安定感を実感しました。
乗り心地重視の方に自信を持っておすすめ出来る商品です。