930ターボエンジンOHしております
メッツスピードの鞍貫です。
本日は930ターボ3.0LのエンジンO/Hをしております。
年式のわりに走行距離が少なく、程度の良い車両なのですが、エンジンはやはり
動いていない期間が長いとダメージが蓄積されてました。
定番のスタッドボルト折れです。
空冷ポルシェは長いスタッドボルトがクランクケースから伸びていて、このス
タッドボルトにシリンダー、シリンダーヘッド、カムキャリアが共締めされて
いる構造になってます。
当然規定トルクで締め付けてありますので、ボルトにはテンションが掛かってい
て、金属の性質上伸びています。
そこにエンジンをかければ熱で温度が上がり、エンジンを切れば外気で温度が下
がり・・・を繰り返しているうちに、ボルトの弾性が無くなり、金属疲 労でつ
いには破断してしまいます。
空冷という構造上仕方の無い、いわばウィークポイントですね。
この車両は、動いていなかった期間が長かった為にボルトが錆びてしまい、久し
ぶりに熱が入ったので金属疲労で折れてしまったようです。
スタッドボルトに関しましては、ポルシェ社でも試行錯誤材料を変えたり、社外
部品でステンレス製の物もリリースされていたりします。
クランクケースがアルミ製の物はボルトが折れるのですが、ケースがマグネシウ
ム製の物は金属疲労でクランクケース側が負けてしまい、スタッドボル トが抜
けてしまう物も有ります。
このトラブルを早期に発見しないと、シリンダーとヘッドが圧縮、燃焼による微
振動で、合わせ面が減ってしまう2次トラブルに繋がってしまいます。
上記トラブルを早期に発見できるのは、タペット調整の作業時。
当社でもタペット調整時にスタッドボルトの点検は怠りません。
最近はオイルの性能向上からか、2万〜3万キロ程度では明確なタペット打音が
出にくくなっております。
でも、この作業を定期的に怠るとスタッドボルトの状況がつかめませんね。
定期健康診断は大切です。
皆様も大事になる前に、定期健康診断忘れずにお願い致します。
MET’S-SPEED(メッツスピード)
TEL/FAX:042-556-0502
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