オーセンティックカーズの小松です。

今もなお多くのロータス・フリークを魅了して止まないモデルであるロータス･エスプリ。しかしV8最終モデルのラインオフからも10年が過ぎ、コンディションの良い個体が市場に出るということも希になってきました。ましてやロータスの『ライトウェイト』であることを体現する4気筒モデルとなるとなおさらです。

今回はエスプリがV8に切り替わった後にリリースされた最後の4気筒モデルであるGT-3が入庫していますのでご紹介します。そのボディはオーバーフェンダーを持つV8と比較すると『ナロー』ともいえる細身なもので、シンプルなダックテールとも素晴らしい調和を見せています。またインテリアトリムをシンプルなものとすることによって軽量に仕上げられているのも特徴です。熟成された直列4気筒エンジンはもちろんインタークーラー付ターボを装着。

敢えて2リッターとされた排気量やそのエクイップメント、そしてモデル名のGT-3などから、何らかのレースカテゴリーへの参戦を目論んで生産されたとも思われますが、実際にサーキットを走ることはなく、それ故かその生産台数も非常に少ない稀少なモデルでもあります。

エスプリのメインストリームが大排気量のスーパースポーツ的な要素を備えたV8に移行した後に突如出現した小排気量・ライトウェイトのGT-3。もちろんV8の洗練された乗り味も素晴らしいのですが、何よりもロータスのポリシーを感じさせてくれるこのGT-3、「どうしても作りたかった」という彼らの熱意が感じられる一台ではないでしょうか。